<第11日目: 8/7(月)> レオン ~ サンチャゴ・デ・コンポステーラ
いよいよ今日は、巡礼の最終目的地、サンチャゴ・デ・コンポステーラへ。
カミーノさんたちは、レオンからサンチャゴ・デ・コンポステーラまで、
難所の峠を越えながら、まだまだ巡礼の旅が続きます。
一方、私たちは最後のドライブへ。
明日はレンタカーを返却し、スペインに別れを告げて、
長距離バスでポルトガルへ向かうのです。
国道のドライブを始める前に、そろそろ日本で両替したユーロが切れて来たので、
このレオンの銀行で日本円→ユーロの両替をすることにしました。
ポルトガルで両替するよりも、勝手知ったるスペインの方が、
妻には都合がよいのです。
街の中心の近くまで行って、大きめの店舗の銀行を探しました。
ちょうど良いところに「サンタンデール銀行」があったので、
ちょっとドキドキしながら入店。
スペイン語で円→ユーロの両替をしたい旨、伝えました。
無事に通じたのですが、何やらその店舗では外貨は取り扱っていないとのこと。
大通りにある別のもっと大きな店舗を紹介されました。
何とか辿り着くと、入口すぐに機械があって、
該当カウンターのボタンを押して、受付番号を取る仕組み。
でも両替がどのカウンターで行われるのか分からず。
人も待っているので、ちょっと困りましたが、
ここの銀行員らしき人を見つけて、引っ張ってきて、やり方を聞きました。
無事番号をゲット、該当カウンターへ行き、両替を求めます。
パスポートを渡しつつ、両替のレートをきいたのですが、
スペイン語で言われたレートを、咄嗟に換算するのは難しく・・・。
もういいや、どうせここでしか両替できないし!と思い、
そのまま両替をお願いしました。
結果、手数料を合わせて何となく概算したところ、
1ユーロ=139円くらい。
日本で137円くらいだったので、それほど悪いレートではなく
両替できたので、よかったです。
何より、こうした日常の生活に関することを、
ちゃんとスペイン語でやり取りできたことに、自信と喜びを感じたので、
それだけでもここで両替した価値がありました。
さて、いよいよレオンを出発します。
最後のスペイン、最後の巡礼路を感慨深く味わおうと思った妻なのですが、
車は快適に、ぐんぐん国道を進んで行きます。
いつの間にか、眠りに落ちた妻。
気が付いたら、ほぼサンチャゴ・デ・コンポステーラに到着していました。
・・・何の感動もありませんでした。
夫は、眠りこける妻を見て、
最後の感動を味わなくてよいのかな~と思っていたらしいです。
終着地に近づくに連れて、だんだん増えて行くカミーノさんたち。
その様子を少し見たかったな・・・と思った妻でしたが、
もうドライブに飽きていたし、仕方ありません。
さて、いよいよ、サンチャゴ・デ・コンポステーラ(Santiago de Compostela)に
到着しました。
街の中心地の周囲は、ぐるっと大通りに囲まれています。
目指す「パラドール・デ・サンチャゴ・デ・コンポステーラ」は、
街の中心のサンチャゴ大聖堂(カテドラル)脇にあるので、
何とか、この周囲を取り囲んだ大通りから、中へ入って行く道を見つけて、
中心の広場まで向かわなければなりません。
ところが、ただでさえ一方通行の道が多いのに、
更に工事中の道も多くて、なかなか大通りから入って行けません。
もうぐるぐると何周もした挙句、何とか入り組んだ細い道を見つけました。
ちょうど細い道を走る地元の軽トラックがいたので、その後をついていきます。
途中でその車と別れたものの、細い入り組んだ道は続き、
だんだん歩く観光客の数も増えてきました。
この人出を強引に走って中に入って行くので正解なのだろうか。
不安になってきました。
もし道が行き止まりになっても、この人の多さでは、バックで戻ることもできないな。
そう思った時、ちょうど前が開けてそこに広場が・・・。
やっと、ここまで来れた!
周りのカミーノさんたちは、長い長い旅の後、
最終目的地である大聖堂の前の広場にようやく辿り着いて、
感動の歓声を挙げて抱き合っています。
私たちも、もはやGoogle Mapのナビも当てにならない中、
あの複雑な細い道を抜けて、次から次へと溢れ出す観光客の
冷たい視線を浴びながら、ようやくこの広場に辿り着いた!
やっぱり感動的な瞬間でした。
・・・ちょっと、レベルが違い過ぎですけれども。
その後、パラドールのフロントに行って、駐車場の場所をきいたところ、
パラドール自体の駐車場はないものの、
近くの公営の駐車場の場所を教えてくれました。
結局、また来た道を少し戻ることになりましたが、
無事に見つけて、駐車完了。
ほっとしました。
このサンチャゴ・デ・コンポステーラのパラドールは、
かつては王立の巡礼救護院だったそうで、
数あるパラドールの中でも、最高級クラスです。
ここも以前に宿泊していたのですが、中庭しか覚えていなかったので、
こうしてまた来れて、今度はじっくりロビーや回廊の様子を確認できて、
うれしかったです。
部屋に入ると天蓋付きベットがふたつ。
レオンのパラドールの部屋より小じんまりしていましたが、
より歴史を感じる重厚ある作りに思えました。
バスルームも、広々としていて清潔です。
早速、荷物を置いて、大聖堂(カテドラル)の見学と街の散策へ出かけます。
再び、パラドールの目の前の広場に出ると、カミーノさんたちが溢れています。
長旅を終えて、感動の瞬間です。
抱き合ったり、歓声を挙げたり、皆笑顔で幸せそうです。
よく見ると、スペインのテレビ局が来ていて、
興奮冷めやらぬ巡礼グループに、インタビューをしているようです。
私たちも感動のお裾分け・・・ってことで、
広場に座って、そんな様子を見ていました。
それから、大聖堂が閉まらない内に、見学へ向かいます。
工事をしていたからなのか、時間帯によって違うのかは分かりませんが、
その日は、正面玄関は閉まっていて、
広場に面していない裏口からの入場となりました。
中に入るとミサの最中。
写真を撮っていたら、ミサ中は撮らないように注意されてしまいました。
・・・当然ですね。 すみません。
中央には、高い天井から銀の大香炉がぶら下がっています。
この大聖堂は、スペイン最高のロマネスク様式の教会とされ、
願いをすることができます。
私たちも一応、抱きつかせていただきました。
いろいろと教会、大聖堂を巡った旅でしたが、
ひとまず巡礼路も無事終わり。
ここまで無事に来れたこと・・・というか
人生の折り返しまで生きてこれたことなどを感謝して、
大聖堂を去りました。
(夫記)
祭壇の聖ヤコブ像の後ろ側へ入れるようになっています。参拝者はそこまで列をなして登って行き、順番に聖ヤコブの像に背後から抱きつきます。サンチャゴ巡礼の、本当の終着地は、この聖ヤコブの背中だと言えるでしょう。この聖ヤコブの像の真下の地下に聖ヤコブの遺骸がある訳です。
祭壇の正面から聖ヤコブの像を気をつけて見ていると、時々、両肩の横あたりから人の手が現れるのが見えます。これは、後ろで参拝者が聖ヤコブに抱きついていたのですね。みんな聖ヤコブにすがりたくて、並んで順番待ちをして登っていく訳です。わかって見ると、何やら温かい気持ちになります。
その後は、ふらふらと街を歩いて、夕食を取るレストランを探しました。
バルやレストランが軒を連ねている路地があり、多くの観光客が歩いていました。
タパス(おつまみ皿)が美味しそうなところを探しましたが、
どこが美味しいのか分からず。
何となく分かりやすい写真と料金価格かな・・・と思った
小さいレストランに入ってみました。
ところが、店のおじさんが不愛想な上に、外の表示と違うメニューを出され、
ちょっと私たちの思っていたのと違うものしかなさそうだったので、
食べれそうなタパスを2皿ほど頼むだけにしました。
注文したピーマンの焼き皿とミックスサラダのタパスは、
値段の割においしかったのです。
結局、スペイン最後にイカのフライを食べたかったので、店移動。
今度は思いっきり、観光客相手の定食屋さんになってしまいましたが、
意外とここのイカのフライは美味しく、値段も手頃でよかったです。
でも路地に店が多すぎるのか、地下にあるこのレストランは他にお客がいなく、
とても空いていましたので、余計なお世話ですが、
ちょっと心配してしまいました。
最後に良心的で美味しいお店で食べれてよかったです。
そして、広場にまた戻って、パラドールへ帰ります。
昨日のレオンのパラドールのように、最後にまたパラドール探検を。
しばし高級感が味わえて、よかったです。
17年前、仕事で訪れたこのパラドールを去る時、
もう二度とこの地を訪れることはないだろうなと思いましたが、
もし来る時があれば、その時は仕事ではなくプライベートで、
ひとりではなく誰かと来たいなと思っていました。
その時は仕事が大変で、孤独と疲れで弱気になっていたからかもしれません(笑)。
今こうしてまた、このパラドールに、
今度はストレスなしの夫婦旅で訪れることができて、よかったなと思いました。
何と言っても、朝はチェックアウトぎりぎりまで寝ていられるし、
食事も好きなタイミングでとれるし、ドライブ中でも寝てられるし・・・。
何にも縛られず、自由で最高でした!
さて、明日はいよいよポルトガル。
ポルトガルには初めての入国なので、とても楽しみです。
残り僅かになって来ました。
身体に気を付けて、無事に帰国したいと思います。