レンタカー&鉄道で巡る 南仏・スペイン巡礼路・ポルトガルの旅 17日間

旅好き夫と怠け者妻の夫婦ふたり旅・・・ちょっと長かったけど、楽しかったです。

<第10日目: 8/6(日)> ブルゴス ~ レオン 

 

今日は、ブルゴスを 後にして、いよいよレオンへ。

本日の宿泊は、レオンのパラドール。

今回の旅行の計画を立て始めた頃、この「レオンのパラドール」と、

明日宿泊予定の「サンチャゴ・デ・コンポステーラのパラドール」だけは、

すぐにネットで押さえていました。

 

実は、妻は18年前に一度、仕事でこのスペイン巡礼路界隈を旅しており、

このレオンとサンチャゴ・デ・コンポステーラのパラドールは、

その際にも宿泊していました。

 

でも、その時は仕事のことで頭がいっぱいで、

今一つ、じっくり味わっていないのと、記憶も曖昧になって来ていて、

どんな様子だったのか、定かではなくなっていました。

まさか、18年後にまたこの地を旅するとは思っていなかったので、

こうしてまた来れたことに、感慨深いものを感じます。

夫は全くの初めての巡礼路なので、より一層、楽しそうでした。

 

さて、早速、レオンへ向かってドライブです。

途中、何度か大きな荷物を背負ったカミーノさんたちを追い越しました。

車道の横に並走する道を、一歩一歩、しっかりとした足取りで進むカミーノさんたち。

カミーノさんを見つけるとうれしくて、なぜか手を振りたくなる妻でしたが、

カミーノさんからすると、なんのこっちゃ・・・ということになるので、

やめました。

 

こちらは車で飛ばしているので、普通の旅とさほど変わらないのですが、

唯一、道を歩くカミーノさんを見つけた時だけ、

巡礼路を走っていることを思い出し、とてもうれしくなるのでした。

 

しばらくすると、道脇に小さなホテルと食堂が見えてきました。 

サービスエリアのようなところではなく、ただ道端にぽつんと2軒の建物。

トラックやちょっと汚れた車が数台、無造作に駐車してあります。

お腹もすいてきたので、ブランチを取ることにします。

 

恐る恐る中を覗くと、店内は活気に溢れ、たくさんの人でごった返していました。

中央にカウンターがあり、周りにはテーブルが数個。

何とか空いている席を見つけて座ります。

カウンター周りには立ち食いの人もちらほら。

スタッフのお姉さんたちは注文もそこそこに、

カウンター内を行ったり来たりしています。

 

ローカル感が半端ない・・・。

注文の仕方を見極めようと、カウンターに近づきます。

どうやら、メニューを見て、オーダーを決めたら、

その場でカウンター内のお姉さんたちを捕まえて注文する。

そしてそこで支払い。

その後、カウンターに料理が出されたら、自分でピックアップする様子。

完全、スペイン語オンリーの世界。

悠長に待っていても、声をかけるタイミングすらない・・・。

 

ここはスペイン語の腕試しだと思い、勇気を出してカウンターへ進みます。

18年前は、毎日スペイン語でオーダーして食事をしていたのだから、

きっと今だってやればできるはず・・・。

 

カウンターへ近づいて、ひとりのお姉さんに狙いを定めました。

小さく声をかけるも、隣の人にかき消され、

その人の後を待つと、今度は逆側の人が・・・。

これではいかん!と、お姉さんの前を陣取り、

「Perdon ! 」(すみません!)の繰り返し攻撃。

やっとお姉さんと目が合い、ちょっと待っててねと言われました。

 

そうこうしているうちに、また他の人がやってくるので、

お姉さん、外国人の私のことなんかもう忘れて、

他の人に行ってしまうのでは・・・とちょっと不安になりましたが、

ちゃんと順番を覚えていて、後ろからの人を制して私の前に戻ってきてくれました。

 

たどたどしいスペイン語で何とか注文を伝えると、あっさり通じて、

精算もその場でできました。

どこに座っているか聞かれたので、夫の方を指すとうなずくお姉さん。

どうやら料理が出来たら、私たちが座っているテーブルめがけて、

大声で知らせてくれるそうです。

 

スペイン語ブランク18年の妻としては、ちょっと緊張の出来事でしたが、

昔取った杵柄で、無事に料理を口に出来たので、大満足。

ダテに半年滞在していたわけではなかった。 よかった・・・。

 

妻は相変わらず、ミックスサラダが続きますが(どこまでもサラダ好き)、

夫は、スペイン名物モルシージャ(Morcilla)を食べました。

これは、豚の血から作ったソーセージだそう。

美味しかったのかどうか、妻には分かりませんが・・・。

 

 

(夫記)


ローカルな食堂で、カウンターでごった返す地元客をかき分けて食事の注文をするのはアウェー感が半端ないです。しかも、回りはみんな押しが強くて声もでかいスペイン人。
唯一のアドバンテージは、店のお姉さんに、ここにいるよ、と認識して貰うのが簡単なこと。妻が、お姉さんから「どこに座っているの」と聞かれて、私の座っているテーブルをちょっと差し示しただけで、「ああ、あそこね」と、実に簡単でした。なにせ、店の中に東洋人は私たちしかいないから。多分、ここのドライブインに東洋人が立ち寄ること自体、珍しいんじゃないかな。
ちなみに豚の血のソーセージは、ざらりとした食感で味はまずまず。たくさん食べると飽きるかな、という感じでした。

 

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モルシージャミックスサラダ

 

その後、またドライブに戻り、ひたすら国道をまっすぐ進みます。

ほどなくすると、レオンのサインが・・・。

ようやく街へ到着しました。

レオン(Leon)は、10-12世紀に栄えた旧レオン王国の首都。

巡礼路の要所である為、教会や修道院など宗教的建造物が多く残っています。

 

午後、早めに街に到着しましたので、

まずはパラドールにチェックインして荷物を整理し、

それから街見学へ向かいたいと思います。

 

レオンのパラドールは、16世紀に建てられた「サン・マルコス修道院」を

改修して作られました。

建物内には、美しい教会や回廊も残っているので、

宿泊するのがとても楽しみです。

 

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パラドール・デ・レオン

 

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パラドールの正面玄関

 

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サン・マルコス修道院の入口

 

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修道院前の巡礼者と一緒に

 

早速、駐車場に車を止めて、建物内へ入って行きます。

中は、やはりというか修道院そのもの。

階段や壁には、中世のものと思われる絵画やタペストリーが飾られています。

ロビーでチェックインし、ついでに今晩のレストランを予約。

サラダばかり食べて来た妻ですが、

たまには豪華にパラドール内のレストランで、コースディナーです。

 

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部屋の前の廊下

 

階段を上って、絨毯が敷き詰められた長い廊下をぐるっと回ります。

ようやく部屋に辿り着きました。

ドアを開けると、光が差し込む明るい部屋が。

窓からは、裏庭と、建物の一部が見えます。

この作りが修道院ぽいです。

 

早速、荷物を置いて、準備して、外へ向かいます。

 

 

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ふざけた写真しか・・・

 

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・・・なかった

 

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ベランダから見える裏庭

 

 

 

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建物の一部

 

散策しながら、街の中心地へ向かいます。

途中、「サン・イシドロ教会」も見学しました。

セビーリャの大司教イシドロに捧げられた教会で、

レオン王国の一族も眠っています。

 

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サン・イシドロ教会

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教会内部

 

それから、観光のハイライト、レオンの大聖堂(カテドラル)へ。

13-14世紀にかけて建築されたゴシック様式の大聖堂で、

豪華なステンドグラスが有名です。

 

昨日訪れた、ブルゴスの大聖堂と被りますが、

このレオンの大聖堂の方が、ステンドグラスの美しさの為、

より印象に残る気がしました。

夫もこちらの大聖堂の方が気に入ったようです。

妻は、連日、教会っぽい建造物を巡っていますので、ちょっと飽きてきていました。

バチ当たりです。

 

 

(夫記)


ブルゴスとレオンは、どちらも北部スペインのサンチャゴ巡礼路中、屈指の中核都市だけあって、何かと張り合っているらしいです。
ブルゴスの大聖堂は、スペイン三大聖堂のひとつに数えられ、規模も大きくて荘厳。おまけにエルシドの墓まであるので、圧勝かと思いきや、レオンの大聖堂には、世界でも稀に見ると言って良いほどの美しいステンドグラスがあります。レオンっ子は、ブルゴスにはこんなステンドグラスはないよね、と言って、自慢するそうです。
確かに、レオンの大聖堂のステンドグラスの美しさは特筆にあたいします。エルシドびいきの私ですら、この聖堂勝負には、うーん、とうなって、レオンに一票、投じてしまいました。

 

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レオンの大聖堂

 

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美しいステンドグラス

 

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光が差し込み反射してる

 

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バラ窓も綺麗

 

大聖堂を出て、通りをブラブラ散策します。

両側にお土産屋さんや雑貨店、カフェなどが並んで、

とても美しい街です。

ガウディが設計した「カサ・デ・ロス・ボディーネス」もありました。

現在は銀行として使われているそうです。

 

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カサ・デ・ロス・ボディーネス

 

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賑やかな通り

 

賑やかな通りに面したカフェで、お茶をしました。

お勧めのジュースをきいたところ、イチゴのジュースとのこと。

正確に言うと、お勧めのフルーツジュースの中で、

単語が分かったのが、イチゴくらいだったので注文したのですが、

思った以上においしかったです。

 

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美味しかったイチゴのジュース

 

その華やかな通りを、杖をついて疲れ切った足取りで歩く、

カミーノさんたちも見かけました。

今日もたくさん歩いて、本日の宿泊地にやっと到着し、

ほっとしているのでしょう。

足取りは重くても、顔はとても満足気でした。

 

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カミーノさんの黄色い矢印

 

さて、夜のディナーの予約があるので、程良いところで帰途につきます。

このツアーで、ゴルド以来、2回目の豪華コース料理。

楽しみです。

 

 

夜でもまだ明るいスペイン。

夕暮れの明るさがわずかに残るレストランには、

もうキャンドルが灯されていました。

白い壁に、白黒のタイルの床。

修道院というイメージからは遠い、豪華でモダンな内装でした。

 

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モダンな内装のレストラン

 

有名な高級レストランとのこと、とても美味しかったです。

夫は、初めてガスパッチョ(トマトの冷菜スープ)を食べました。

アンダルシア地方に住んでいた頃、妻はこのガスパッチョが大好きで、

安いバルから、お洒落なレストランまであらゆるところで食べたのですが、

その中で、一番高級なレストランのガスバッチョが、

今でも忘れられないくらい美味しかったのです。

あれ以来、日本のスペイン料理店でも何度か注文してみましたが、

あのアンダルシアの美味しいガスパッチョには巡り合えませんでした。

 

やはり本場のアンダルシアに行かないと味わえないのかと思っていたのですが、

この北部スペインで、全く同じ味に出会うことができて、とても感動しました。

夫が初めて食するガスパッチョが、一番美味しいガスパッチョでよかったです。

 

 

食後、この迷路のような修道院を探検することにしました。

石造りの階段を上ると、回廊が見えてきます。

外に出ると中庭が。

とても星が綺麗でした。

でもやはり夜は寒い・・・。

日中の暖かい時間なら、この中庭に面した回廊にあるソファでゆっくりするのも

良い感じだと思います。

 

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石造りの階段

 

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美しいシャンデリア、壁には絵画

 

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アンティークな内装の部屋

 

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赤い壁の廊下

 

明日は、いよいよ巡礼路の終着地、サンチャゴ・デ・コンポステーラへ。

車だとトンデモなく早い、巡礼の旅。

そういえば、もう旅も10日目でした。

後半に入ると、日が過ぎるのも早いものです。

残りの日々、より味わって旅していきたいと思います。