レンタカー&鉄道で巡る 南仏・スペイン巡礼路・ポルトガルの旅 17日間

旅好き夫と怠け者妻の夫婦ふたり旅・・・ちょっと長かったけど、楽しかったです。

<第10日目: 8/6(日)> ブルゴス ~ レオン 

 

今日は、ブルゴスを 後にして、いよいよレオンへ。

本日の宿泊は、レオンのパラドール。

今回の旅行の計画を立て始めた頃、この「レオンのパラドール」と、

明日宿泊予定の「サンチャゴ・デ・コンポステーラのパラドール」だけは、

すぐにネットで押さえていました。

 

実は、妻は18年前に一度、仕事でこのスペイン巡礼路界隈を旅しており、

このレオンとサンチャゴ・デ・コンポステーラのパラドールは、

その際にも宿泊していました。

 

でも、その時は仕事のことで頭がいっぱいで、

今一つ、じっくり味わっていないのと、記憶も曖昧になって来ていて、

どんな様子だったのか、定かではなくなっていました。

まさか、18年後にまたこの地を旅するとは思っていなかったので、

こうしてまた来れたことに、感慨深いものを感じます。

夫は全くの初めての巡礼路なので、より一層、楽しそうでした。

 

さて、早速、レオンへ向かってドライブです。

途中、何度か大きな荷物を背負ったカミーノさんたちを追い越しました。

車道の横に並走する道を、一歩一歩、しっかりとした足取りで進むカミーノさんたち。

カミーノさんを見つけるとうれしくて、なぜか手を振りたくなる妻でしたが、

カミーノさんからすると、なんのこっちゃ・・・ということになるので、

やめました。

 

こちらは車で飛ばしているので、普通の旅とさほど変わらないのですが、

唯一、道を歩くカミーノさんを見つけた時だけ、

巡礼路を走っていることを思い出し、とてもうれしくなるのでした。

 

しばらくすると、道脇に小さなホテルと食堂が見えてきました。 

サービスエリアのようなところではなく、ただ道端にぽつんと2軒の建物。

トラックやちょっと汚れた車が数台、無造作に駐車してあります。

お腹もすいてきたので、ブランチを取ることにします。

 

恐る恐る中を覗くと、店内は活気に溢れ、たくさんの人でごった返していました。

中央にカウンターがあり、周りにはテーブルが数個。

何とか空いている席を見つけて座ります。

カウンター周りには立ち食いの人もちらほら。

スタッフのお姉さんたちは注文もそこそこに、

カウンター内を行ったり来たりしています。

 

ローカル感が半端ない・・・。

注文の仕方を見極めようと、カウンターに近づきます。

どうやら、メニューを見て、オーダーを決めたら、

その場でカウンター内のお姉さんたちを捕まえて注文する。

そしてそこで支払い。

その後、カウンターに料理が出されたら、自分でピックアップする様子。

完全、スペイン語オンリーの世界。

悠長に待っていても、声をかけるタイミングすらない・・・。

 

ここはスペイン語の腕試しだと思い、勇気を出してカウンターへ進みます。

18年前は、毎日スペイン語でオーダーして食事をしていたのだから、

きっと今だってやればできるはず・・・。

 

カウンターへ近づいて、ひとりのお姉さんに狙いを定めました。

小さく声をかけるも、隣の人にかき消され、

その人の後を待つと、今度は逆側の人が・・・。

これではいかん!と、お姉さんの前を陣取り、

「Perdon ! 」(すみません!)の繰り返し攻撃。

やっとお姉さんと目が合い、ちょっと待っててねと言われました。

 

そうこうしているうちに、また他の人がやってくるので、

お姉さん、外国人の私のことなんかもう忘れて、

他の人に行ってしまうのでは・・・とちょっと不安になりましたが、

ちゃんと順番を覚えていて、後ろからの人を制して私の前に戻ってきてくれました。

 

たどたどしいスペイン語で何とか注文を伝えると、あっさり通じて、

精算もその場でできました。

どこに座っているか聞かれたので、夫の方を指すとうなずくお姉さん。

どうやら料理が出来たら、私たちが座っているテーブルめがけて、

大声で知らせてくれるそうです。

 

スペイン語ブランク18年の妻としては、ちょっと緊張の出来事でしたが、

昔取った杵柄で、無事に料理を口に出来たので、大満足。

ダテに半年滞在していたわけではなかった。 よかった・・・。

 

妻は相変わらず、ミックスサラダが続きますが(どこまでもサラダ好き)、

夫は、スペイン名物モルシージャ(Morcilla)を食べました。

これは、豚の血から作ったソーセージだそう。

美味しかったのかどうか、妻には分かりませんが・・・。

 

 

(夫記)


ローカルな食堂で、カウンターでごった返す地元客をかき分けて食事の注文をするのはアウェー感が半端ないです。しかも、回りはみんな押しが強くて声もでかいスペイン人。
唯一のアドバンテージは、店のお姉さんに、ここにいるよ、と認識して貰うのが簡単なこと。妻が、お姉さんから「どこに座っているの」と聞かれて、私の座っているテーブルをちょっと差し示しただけで、「ああ、あそこね」と、実に簡単でした。なにせ、店の中に東洋人は私たちしかいないから。多分、ここのドライブインに東洋人が立ち寄ること自体、珍しいんじゃないかな。
ちなみに豚の血のソーセージは、ざらりとした食感で味はまずまず。たくさん食べると飽きるかな、という感じでした。

 

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モルシージャミックスサラダ

 

その後、またドライブに戻り、ひたすら国道をまっすぐ進みます。

ほどなくすると、レオンのサインが・・・。

ようやく街へ到着しました。

レオン(Leon)は、10-12世紀に栄えた旧レオン王国の首都。

巡礼路の要所である為、教会や修道院など宗教的建造物が多く残っています。

 

午後、早めに街に到着しましたので、

まずはパラドールにチェックインして荷物を整理し、

それから街見学へ向かいたいと思います。

 

レオンのパラドールは、16世紀に建てられた「サン・マルコス修道院」を

改修して作られました。

建物内には、美しい教会や回廊も残っているので、

宿泊するのがとても楽しみです。

 

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パラドール・デ・レオン

 

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パラドールの正面玄関

 

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サン・マルコス修道院の入口

 

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修道院前の巡礼者と一緒に

 

早速、駐車場に車を止めて、建物内へ入って行きます。

中は、やはりというか修道院そのもの。

階段や壁には、中世のものと思われる絵画やタペストリーが飾られています。

ロビーでチェックインし、ついでに今晩のレストランを予約。

サラダばかり食べて来た妻ですが、

たまには豪華にパラドール内のレストランで、コースディナーです。

 

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部屋の前の廊下

 

階段を上って、絨毯が敷き詰められた長い廊下をぐるっと回ります。

ようやく部屋に辿り着きました。

ドアを開けると、光が差し込む明るい部屋が。

窓からは、裏庭と、建物の一部が見えます。

この作りが修道院ぽいです。

 

早速、荷物を置いて、準備して、外へ向かいます。

 

 

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ふざけた写真しか・・・

 

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・・・なかった

 

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ベランダから見える裏庭

 

 

 

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建物の一部

 

散策しながら、街の中心地へ向かいます。

途中、「サン・イシドロ教会」も見学しました。

セビーリャの大司教イシドロに捧げられた教会で、

レオン王国の一族も眠っています。

 

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サン・イシドロ教会

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教会内部

 

それから、観光のハイライト、レオンの大聖堂(カテドラル)へ。

13-14世紀にかけて建築されたゴシック様式の大聖堂で、

豪華なステンドグラスが有名です。

 

昨日訪れた、ブルゴスの大聖堂と被りますが、

このレオンの大聖堂の方が、ステンドグラスの美しさの為、

より印象に残る気がしました。

夫もこちらの大聖堂の方が気に入ったようです。

妻は、連日、教会っぽい建造物を巡っていますので、ちょっと飽きてきていました。

バチ当たりです。

 

 

(夫記)


ブルゴスとレオンは、どちらも北部スペインのサンチャゴ巡礼路中、屈指の中核都市だけあって、何かと張り合っているらしいです。
ブルゴスの大聖堂は、スペイン三大聖堂のひとつに数えられ、規模も大きくて荘厳。おまけにエルシドの墓まであるので、圧勝かと思いきや、レオンの大聖堂には、世界でも稀に見ると言って良いほどの美しいステンドグラスがあります。レオンっ子は、ブルゴスにはこんなステンドグラスはないよね、と言って、自慢するそうです。
確かに、レオンの大聖堂のステンドグラスの美しさは特筆にあたいします。エルシドびいきの私ですら、この聖堂勝負には、うーん、とうなって、レオンに一票、投じてしまいました。

 

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レオンの大聖堂

 

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美しいステンドグラス

 

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光が差し込み反射してる

 

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バラ窓も綺麗

 

大聖堂を出て、通りをブラブラ散策します。

両側にお土産屋さんや雑貨店、カフェなどが並んで、

とても美しい街です。

ガウディが設計した「カサ・デ・ロス・ボディーネス」もありました。

現在は銀行として使われているそうです。

 

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カサ・デ・ロス・ボディーネス

 

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賑やかな通り

 

賑やかな通りに面したカフェで、お茶をしました。

お勧めのジュースをきいたところ、イチゴのジュースとのこと。

正確に言うと、お勧めのフルーツジュースの中で、

単語が分かったのが、イチゴくらいだったので注文したのですが、

思った以上においしかったです。

 

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美味しかったイチゴのジュース

 

その華やかな通りを、杖をついて疲れ切った足取りで歩く、

カミーノさんたちも見かけました。

今日もたくさん歩いて、本日の宿泊地にやっと到着し、

ほっとしているのでしょう。

足取りは重くても、顔はとても満足気でした。

 

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カミーノさんの黄色い矢印

 

さて、夜のディナーの予約があるので、程良いところで帰途につきます。

このツアーで、ゴルド以来、2回目の豪華コース料理。

楽しみです。

 

 

夜でもまだ明るいスペイン。

夕暮れの明るさがわずかに残るレストランには、

もうキャンドルが灯されていました。

白い壁に、白黒のタイルの床。

修道院というイメージからは遠い、豪華でモダンな内装でした。

 

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モダンな内装のレストラン

 

有名な高級レストランとのこと、とても美味しかったです。

夫は、初めてガスパッチョ(トマトの冷菜スープ)を食べました。

アンダルシア地方に住んでいた頃、妻はこのガスパッチョが大好きで、

安いバルから、お洒落なレストランまであらゆるところで食べたのですが、

その中で、一番高級なレストランのガスバッチョが、

今でも忘れられないくらい美味しかったのです。

あれ以来、日本のスペイン料理店でも何度か注文してみましたが、

あのアンダルシアの美味しいガスパッチョには巡り合えませんでした。

 

やはり本場のアンダルシアに行かないと味わえないのかと思っていたのですが、

この北部スペインで、全く同じ味に出会うことができて、とても感動しました。

夫が初めて食するガスパッチョが、一番美味しいガスパッチョでよかったです。

 

 

食後、この迷路のような修道院を探検することにしました。

石造りの階段を上ると、回廊が見えてきます。

外に出ると中庭が。

とても星が綺麗でした。

でもやはり夜は寒い・・・。

日中の暖かい時間なら、この中庭に面した回廊にあるソファでゆっくりするのも

良い感じだと思います。

 

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石造りの階段

 

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美しいシャンデリア、壁には絵画

 

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アンティークな内装の部屋

 

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赤い壁の廊下

 

明日は、いよいよ巡礼路の終着地、サンチャゴ・デ・コンポステーラへ。

車だとトンデモなく早い、巡礼の旅。

そういえば、もう旅も10日目でした。

後半に入ると、日が過ぎるのも早いものです。

残りの日々、より味わって旅していきたいと思います。

 

<第11日目: 8/7(月)> レオン ~                  サンチャゴ・デ・コンポステーラ 

いよいよ今日は、巡礼の最終目的地、サンチャゴ・デ・コンポステーラへ。

カミーノさんたちは、レオンからサンチャゴ・デ・コンポステーラまで、

難所の峠を越えながら、まだまだ巡礼の旅が続きます。

一方、私たちは最後のドライブへ。

明日はレンタカーを返却し、スペインに別れを告げて、

長距離バスでポルトガルへ向かうのです。

 

国道のドライブを始める前に、そろそろ日本で両替したユーロが切れて来たので、

このレオンの銀行で日本円→ユーロの両替をすることにしました。

ポルトガルで両替するよりも、勝手知ったるスペインの方が、

妻には都合がよいのです。

 

街の中心の近くまで行って、大きめの店舗の銀行を探しました。

ちょうど良いところに「サンタンデール銀行」があったので、

ちょっとドキドキしながら入店。

スペイン語で円→ユーロの両替をしたい旨、伝えました。

無事に通じたのですが、何やらその店舗では外貨は取り扱っていないとのこと。

大通りにある別のもっと大きな店舗を紹介されました。

 

何とか辿り着くと、入口すぐに機械があって、

該当カウンターのボタンを押して、受付番号を取る仕組み。

でも両替がどのカウンターで行われるのか分からず。

人も待っているので、ちょっと困りましたが、

ここの銀行員らしき人を見つけて、引っ張ってきて、やり方を聞きました。

無事番号をゲット、該当カウンターへ行き、両替を求めます。

 

パスポートを渡しつつ、両替のレートをきいたのですが、

スペイン語で言われたレートを、咄嗟に換算するのは難しく・・・。

もういいや、どうせここでしか両替できないし!と思い、

そのまま両替をお願いしました。

 

結果、手数料を合わせて何となく概算したところ、

1ユーロ=139円くらい。

日本で137円くらいだったので、それほど悪いレートではなく

両替できたので、よかったです。

何より、こうした日常の生活に関することを、

ちゃんとスペイン語でやり取りできたことに、自信と喜びを感じたので、

それだけでもここで両替した価値がありました。

 

さて、いよいよレオンを出発します。

最後のスペイン、最後の巡礼路を感慨深く味わおうと思った妻なのですが、

車は快適に、ぐんぐん国道を進んで行きます。

いつの間にか、眠りに落ちた妻。

気が付いたら、ほぼサンチャゴ・デ・コンポステーラに到着していました。

 

・・・何の感動もありませんでした。

 

夫は、眠りこける妻を見て、

最後の感動を味わなくてよいのかな~と思っていたらしいです。

終着地に近づくに連れて、だんだん増えて行くカミーノさんたち。

その様子を少し見たかったな・・・と思った妻でしたが、

もうドライブに飽きていたし、仕方ありません。

 

さて、いよいよ、サンチャゴ・デ・コンポステーラ(Santiago de Compostela)

到着しました。

街の中心地の周囲は、ぐるっと大通りに囲まれています。

目指す「パラドール・デ・サンチャゴ・デ・コンポステーラ」は、

街の中心のサンチャゴ大聖堂(カテドラル)脇にあるので、

何とか、この周囲を取り囲んだ大通りから、中へ入って行く道を見つけて、

中心の広場まで向かわなければなりません。

 

ところが、ただでさえ一方通行の道が多いのに、

更に工事中の道も多くて、なかなか大通りから入って行けません。

もうぐるぐると何周もした挙句、何とか入り組んだ細い道を見つけました。

ちょうど細い道を走る地元の軽トラックがいたので、その後をついていきます。

途中でその車と別れたものの、細い入り組んだ道は続き、

だんだん歩く観光客の数も増えてきました。

この人出を強引に走って中に入って行くので正解なのだろうか。

不安になってきました。

もし道が行き止まりになっても、この人の多さでは、バックで戻ることもできないな。

そう思った時、ちょうど前が開けてそこに広場が・・・。

 

やっと、ここまで来れた!

周りのカミーノさんたちは、長い長い旅の後、

最終目的地である大聖堂の前の広場にようやく辿り着いて、

感動の歓声を挙げて抱き合っています。

私たちも、もはやGoogle Mapのナビも当てにならない中、

あの複雑な細い道を抜けて、次から次へと溢れ出す観光客の

冷たい視線を浴びながら、ようやくこの広場に辿り着いた!

やっぱり感動的な瞬間でした。 

・・・ちょっと、レベルが違い過ぎですけれども。

 

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工事中の大聖堂と広場

 

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たくさんの人々で賑わっている

 

その後、パラドールのフロントに行って、駐車場の場所をきいたところ、

パラドール自体の駐車場はないものの、

近くの公営の駐車場の場所を教えてくれました。

結局、また来た道を少し戻ることになりましたが、

無事に見つけて、駐車完了。

ほっとしました。

 

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パラドールの全体像

 

このサンチャゴ・デ・コンポステーラのパラドールは、

かつては王立の巡礼救護院だったそうで、

数あるパラドールの中でも、最高級クラスです。

ここも以前に宿泊していたのですが、中庭しか覚えていなかったので、

こうしてまた来れて、今度はじっくりロビーや回廊の様子を確認できて、

うれしかったです。

 

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パラドールの正面玄関

 

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正面玄関入ったところ

 

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ロビーの寛ぎスペース

 

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回廊が美しい中庭

 

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部屋の前へ辿り着く

 

部屋に入ると天蓋付きベットがふたつ。

レオンのパラドールの部屋より小じんまりしていましたが、

より歴史を感じる重厚ある作りに思えました。

バスルームも、広々としていて清潔です。

 

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天蓋付きベッドの美しい部屋

 

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清潔なバスルーム

 

早速、荷物を置いて、大聖堂(カテドラル)の見学と街の散策へ出かけます。

再び、パラドールの目の前の広場に出ると、カミーノさんたちが溢れています。

長旅を終えて、感動の瞬間です。

抱き合ったり、歓声を挙げたり、皆笑顔で幸せそうです。

よく見ると、スペインのテレビ局が来ていて、

興奮冷めやらぬ巡礼グループに、インタビューをしているようです。

私たちも感動のお裾分け・・・ってことで、

広場に座って、そんな様子を見ていました。

 

 

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ようやくゴール!!!

 

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歓声をあげて喜ぶカミーノさんたち

 

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テレビの取材を受けるカミーノさんたち

 

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興奮冷めやらぬ様子・・・

 

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疲れたカミーノさんを装ってみる・・・

 

それから、大聖堂が閉まらない内に、見学へ向かいます。

工事をしていたからなのか、時間帯によって違うのかは分かりませんが、

その日は、正面玄関は閉まっていて、

広場に面していない裏口からの入場となりました。

 

中に入るとミサの最中。

写真を撮っていたら、ミサ中は撮らないように注意されてしまいました。

・・・当然ですね。 すみません。

中央には、高い天井から銀の大香炉がぶら下がっています。

 

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大聖堂の裏側に向かう

 

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大聖堂の裏口前の広場

 

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裏口の中に入るとミサ中だった

 

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大香炉がぶら下がっている

 

この大聖堂は、スペイン最高のロマネスク様式の教会とされ、

主祭壇裏には聖ヤコブ像があり、そのヤコブ像に抱きつき、

願いをすることができます。

私たちも一応、抱きつかせていただきました。

いろいろと教会、大聖堂を巡った旅でしたが、

ひとまず巡礼路も無事終わり。

ここまで無事に来れたこと・・・というか

人生の折り返しまで生きてこれたことなどを感謝して、

大聖堂を去りました。

 

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豪華な祭壇

 

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祭壇上の天使たち

 

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祭壇裏の聖ヤコブ

 

(夫記)


祭壇の聖ヤコブ像の後ろ側へ入れるようになっています。参拝者はそこまで列をなして登って行き、順番に聖ヤコブの像に背後から抱きつきます。サンチャゴ巡礼の、本当の終着地は、この聖ヤコブの背中だと言えるでしょう。この聖ヤコブの像の真下の地下に聖ヤコブの遺骸がある訳です。
祭壇の正面から聖ヤコブの像を気をつけて見ていると、時々、両肩の横あたりから人の手が現れるのが見えます。これは、後ろで参拝者が聖ヤコブに抱きついていたのですね。みんな聖ヤコブにすがりたくて、並んで順番待ちをして登っていく訳です。わかって見ると、何やら温かい気持ちになります。

 

 

その後は、ふらふらと街を歩いて、夕食を取るレストランを探しました。

バルやレストランが軒を連ねている路地があり、多くの観光客が歩いていました。

タパス(おつまみ皿)が美味しそうなところを探しましたが、

どこが美味しいのか分からず。

何となく分かりやすい写真と料金価格かな・・・と思った

小さいレストランに入ってみました。

 

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ふらふらと街歩き

 

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美味しいレストランを探して路地を歩き回る

 

ところが、店のおじさんが不愛想な上に、外の表示と違うメニューを出され、

ちょっと私たちの思っていたのと違うものしかなさそうだったので、

食べれそうなタパスを2皿ほど頼むだけにしました。

注文したピーマンの焼き皿とミックスサラダのタパスは、

値段の割においしかったのです。

 

結局、スペイン最後にイカのフライを食べたかったので、店移動。

今度は思いっきり、観光客相手の定食屋さんになってしまいましたが、

意外とここのイカのフライは美味しく、値段も手頃でよかったです。

でも路地に店が多すぎるのか、地下にあるこのレストランは他にお客がいなく、

とても空いていましたので、余計なお世話ですが、

ちょっと心配してしまいました。

最後に良心的で美味しいお店で食べれてよかったです。

 

 

そして、広場にまた戻って、パラドールへ帰ります。

昨日のレオンのパラドールのように、最後にまたパラドール探検を。

しばし高級感が味わえて、よかったです。

 

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夜の中庭

 

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パラドールの小部屋

 

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内装もお洒落

 

 

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修道院の名残ある廊下

 

 

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ちょっとした空間にもテーブルセットがある

 

 

17年前、仕事で訪れたこのパラドールを去る時、

もう二度とこの地を訪れることはないだろうなと思いましたが、

もし来る時があれば、その時は仕事ではなくプライベートで、

ひとりではなく誰かと来たいなと思っていました。

その時は仕事が大変で、孤独と疲れで弱気になっていたからかもしれません(笑)。

今こうしてまた、このパラドールに、

今度はストレスなしの夫婦旅で訪れることができて、よかったなと思いました。

何と言っても、朝はチェックアウトぎりぎりまで寝ていられるし、

食事も好きなタイミングでとれるし、ドライブ中でも寝てられるし・・・。

何にも縛られず、自由で最高でした!

 

 

さて、明日はいよいよポルトガル

ポルトガルには初めての入国なので、とても楽しみです。

残り僅かになって来ました。

身体に気を付けて、無事に帰国したいと思います。

 

 

<第12日目: 8/8(火)> サンチャゴ・デ・コンポステーラ ~ ポルト 

いよいよ、スペイン最後の日となりました。

言葉が通じるのも、今日が最後です。

今回旅行に来る前は、スペインに対してそれほど特別な感情を抱いていなかったので、

もっとあっさりした気持ちで帰国するのだと思っていました。

けれど、久しぶりに訪れてみて、思ったより言葉が通じたことが要因か、

愛着や親近感が湧きました。

正確には湧いてきたというよりも、そういう感情を抱いていた17年前の気持ちを

思い出したというところでしょうか。

 

加えて、このサンチャゴ・デ・コンポステーラのパラドールでは、

良い出会いがふたつありました。

ひとつは、正面玄関入口に立つガードマンさん。

昨日、広場に入って車の駐車場が見つからずに困っていた時に、

私のつたないスペイン語を理解してくれて、

とてもフレンドリーに感じよく対応してくれました。

それ以降、外出するたびに陽気な笑顔で挨拶してくれて、

おかげでアウェー感を薄めることができました。

 

もうひとつは、今朝チェックアウト後に、

パラドール内のカフェバーで、お約束のモーニングカフェを楽しんでいる時のこと。

これから向かうポルトガルのガイドブックを広げて、旅程を相談していたら、

60代くらいの紳士が笑顔で近づいて来て、

「日本の方ですか?」と話しかけられました。

何でも彼は、JETRO(日本貿易復興機構)のマドリード事務所に

長く勤めていたそうで、日本も数回旅行で訪れたことがあるとのこと、

どうやら親しみをもって話しかけてくれたようでした。

彼とは英語で話したのですが、その後スペイン語しか話せない奥さんがいらしたので、

軽くスペイン語で挨拶をして、お別れしました。

こちらがツアーの団体客ではなかったので、話しやすかったのかもしれませんが、

何だか、地元スペイン人の方に親しみをもって話しかけられると、

とても歓迎されている気がして、うれしくなりました。

小さな出会いではありますが、とても心に残りました。

 

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ポルトガルの勉強をしていました

 

そして、いよいよポルトガルへ向けて出発です。

まずは、Hertzレンタカーの営業所を探して、車を返します。

そこから、バスターミナルへ移動。

ポルトガル第二の都市、ポルト(Porto)まで4時間の長距離バス移動になります。

 

Hertzレンタカーの営業所を見つけるのは、少し苦戦しました。

Google Mapに住所を入れると、確かに表示はされるのですが、

その該当の道に近づいても、店舗が見つかりません。

何度かそのあたりをウロウロした後、自力で探すのを諦めて、

ガソリンスタンドに入りました。

最後の給油をしながら、スタッフの人にHertzの営業所を知ってるかきくと、

何やらしきりに後ろの方を指さしています。

よく見ると、ガソリンスタンドの建物の横に

ひどく小さな看板があり、そこにHertzの文字が。

独立した普通の店舗を探していたのですが、

まさかこんな2帖ほどのスペースの店舗だったとは・・・。

 

返却(乗り捨て)の手続きをして、タクシーを呼んでもらいます。

ここからバスターミナルまで、5分ほどの距離です。

長く旅を共にしたシトロエン・・・。

ありがとう、シトロエン・・・。

 

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さようなら、シトロエン

 

お名残惜しく、別れを告げて、タクシーへ。

ほどなくしてバスターミナルに到着。

切符を購入するのに窓口に並びます。

ところが、ここで問題発生!

何とポルト行きのバス、12:00発に乗りたかったのに、満席。

その後の14:00発も満席で、空いていたのが17:30発のみ。

がっくりしました。

 

ALSA社の長距離バス、サンチャゴ・デ・コンポステーラ 17:30発だと、

ポルトは、20:45着(現地時間は、-1時間。所要時間は4時間)。

遅い・・・。

それでも当日の席があったことに感謝しなければなりません。

仕方ないので、荷物をロッカーに預け、

そこからまた、パラドールのある中央の広場に戻り、

最後の観光をすることにしました。

徒歩20分くらいで、広場まで行けるとのこと。

街歩きも観光の一環なので、よしとします。

 

結局、迷いながらも30分後くらいに到着。

それでもまだお昼過ぎです。

ウロウロしながら、広場近くの公園脇のレストランで、

軽く食事をすることにしました。

外の席が空いたので、慌ててゲット。

カフェとトルティージャ(スペイン風オムレツ)をいただきました。

 

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広場の公園

 

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のどかな光景

 

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素敵な店を発見

 

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スペイン最後のカフェを楽しむ

 

すると突然目の前の路上で、楽器を取り出した人たちが演奏を始めます。

これって・・・・チップを集めに来る感じ?

思った通り、終わったらチップを集めに回って来ました。

 

このシステム、本当に慣れません。

実は今回の旅で、何度かこういうことに遭遇しています。

例えば、初日のマルセイユ

テラス席でおいしくブイヤベースとムール貝をいただいていたのですが、

突然、音楽が聞こえてきました。

テラス席の外、道路沿いからの演奏で、少し距離があります。

あまり音楽も聞こえないし、適当に1曲だけなので関係ないと思っていたら、

こちらのテラス席まで来て、チップを集めに来ました。

すごく上手で何曲か演奏していくならともかく、

そんな適当な演奏でチップを集めに来るなんて、

観光客としては、ちょっと足元を見られている気がしました。

 

その後、アヴィニョンはもっと酷かったのです。

信号で一旦停止している車の前でこれ見よがしに、ジャグリングを始めました。

やたら短くて、2-3回ほど。

そしてすぐに集金に来ようとするのですが、車はすぐに出発。

・・・その内容で、こんなタイミングで、お金支払う人っているのだろうか。

 

そういえば、このサンチャゴ・デ・コンポステーラ

石畳の道端に膝立ちをしてじっとうなだれて施し(献金)を

待っている人たちもいました。

ここは巡礼の聖地であり、根強いカトリックの国、スペインなので、

こういう場合は、献金する人もそこそこいるのかもしれないと思いました。

いずれにしても、日本人には馴染みがないシステムなので、

無理やり集金に来られてしまうと、引いてしまうのです。

 

逆に、こちらから是非、支払いたいと思った人もいました。

広場のところで、全身に金箔をまぶして銅像のようにじっと立っている人。

半分腰かけたような状態(仕掛けのある杖を使っている模様)で

炎天下の中、微動だにしないので、金の銅像だと思って通り過ぎる人もいました。

けれどそれが、人間であることに気が付いて、笑顔になる人、遠巻きに写真を撮る人。

そこそこの人数の人たちが、お金を置いていきました。

こういう技術的にも肉体的にもすごい芸を見せられれば、

黙っていても自然にお金が集まるのに・・・。

そのプロフェッショナルな仕事に、脱帽しました。

 

その後、ブラブラ最後の街歩きをしました。

もう特にここへ行っておきたい!というところもないので、

のんびりお土産屋さんを覗いて、旅の記念品を探すことにしました。

 

妻は、海外へ行った時、毎回必ず購入するものがあります。

それは、お土産用のマグネット。

その国や街の観光名所、特産物などをモチーフにした小さいマグネットです。

それを自宅の冷蔵庫に並べて付けているのですが、もう随分な数になりました。

毎日冷蔵庫を開けようとするたびに、自然と目に入るマグネットたち。

いろいろな国でのいろいろな出来事が思い出されます。

 

フランスでは、「La Provance 」と書いてある

白い家とピンクの花がモチーフのマグネットを買いました。

スペインでは何がいいのか迷ったのですが、やはりせっかく巡礼路に来たので、

カミーノさん関連Goodsにしたいと思い、「Camino de Santiago」と書かれた

黄色いホタテ貝と矢印をモチーフにしたマグネットを選びました。

これを見るたび、きっとカミーノさんたちのことを思い出すに違いありません。

 

夫は、T-シャツを物色していました。

購入したのは、やはりカミーノさん関連の模様のT-シャツ。

それと、シルバー色のホタテ貝がついたキーホルダーも買いました。

良い記念品が買えて大満足です。

 

そうこうしているうちに、16:30。

ゆっくり歩いて、余裕を持ってバスに搭乗したいので、

そろそろ中心部を出て、バスターミナルへ向かいます。

 

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広場の市役所前にて さようなら、スペイン!

 

地図を片手に来た道を戻りましたが、今度はバスターミナルまで簡単に戻れました。

ロッカーに預けた荷物をピックアップし、飲み物を購入して、

無事にバスに乗り込みます。

17:30出発、ここから約4時間。 

長旅になります。

 

妻は車酔いが激しいので、実は今回、長距離バスでの移動がとても心配でした。

移動にあたっては、もうひとつ方法があって、

サンチャゴ・デ・コンポステーラから電車で、国境の街ヴィーゴ(Vigo)へ行き、

そこから電車を乗り換えて国境を越え、ポルトに到着」という電車移動のコース。

少し迷いましたが、こちらの電車のコースは乗り継ぎを考えると、

早朝6時過ぎの電車に乗らなければいけないとのこと、

せっかくパラドールに泊まっているのに、それは勿体ないだろう・・・と思い、

結局、長距離バスの道を選びました。

なるべく寝るように努力しようと思い、覚悟を決めて、バスに乗りました。

 

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意外と快適な長距離バス

 

けれど、実際に乗ってみるとバスも案外、快適でした。

途中で短いトイレ休憩もありましたが、ほぼぶっ通しで4時間。

スペインからポルトガルへ向かうにつれて、街並みが変わっていく様子なども見れて、

思ったより良いバス旅となりました。

そしてポルトのバスターミナル、「カーザ・ダ・ムジカ駅」(Casa da Musica)に

到着したのは、現地時間で20:45。

ここで時計を1時間戻しました。

 

(夫記)


ポルトガルへは初めての入国です。
でもヨーロッパのシェンゲン協定の加盟国なので、入国審査もなく、パスポートを出すこともないまま、国境を越えていました。
ポルトガル語スペイン語は親戚のようなもののはずですが、ポルトガルに入った途端、耳に入ってくる言語は物静かなものになった気がしました。
もともと抱いているイメージのせいもあるのでしょうが、そこに住んでいる人たちの「生き馬の目を抜く感」が、だいぶん下がったような気がします。


日本人にはポルトガルの風土・気質は良く合うようです。海洋国で魚好き、性格は穏やかで控えめ、という感じが、他のヨーロッパ諸国に比べて落ち着くのか、ポルトガルにはまって長期滞在する日本人は結構いるようです。いろいろ理由はあるのでしょうが、物価が他に比べて安いのも嬉しいところです。

 

 

バスターミナルを降りると、すぐに地下鉄の「カーザ・ダ・ムジカ駅」があります。

そのまま荷物を持って、階段を下りて行きます。

券売機はすぐ階段を下りたところにありました。

ここでメトロの乗車券、アンダンテを買います。

ICチップが埋め込まれているので、改札の出入りもワンタッチ、

チャージも出来て、日本のパスモのように使うことができます。

 

今晩予約しているのは、隣りの駅「カロリーナ・ミシャエリス」(Darolina Michaelis)

から徒歩3分のホテルです。

メトロでひと駅、あっという間に着きました。

夜遅い到着なので、駅構内および駅周辺などの治安を心配しましたが、

ただの住宅街のように見える駅で、まだ人通りもあり、

治安が悪い印象は受けませんでした。

ちなみに、このホテルを予約したのは、

街の歴史地区やドウロ川周辺の観光地まで、徒歩15分くらいで行けるからです。

 

ホテルに到着して、早速チェックイン。

街の地図をもらい、明日の観光ルートの相談をしました。

もう夜遅いので、急いで夕食を取りたいと思い、

どこか美味しいレストランがないかときいたところ、

ホテルのすぐ裏の通りを行ったところにある、

地元の人たちがよく通う食堂を紹介してくれました。

 

 

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裏通りの食堂へGO!

 

荷物を置いて歩いていくと、すぐに明かりが見えて、食堂が見つかりました。

中に入ると、カウンターとテーブルが6個くらいが並んでいる小じんまりとした作り。

天井から吊り下げられたテレビからは、サッカーの試合が流れていました。

他にも、もう二組のお客がいました。

本当に地元の食堂という感じでした。

 

ここからはもうポルトガル語しか通じないので、意思疎通が難しくなります。

ちょっと緊張しながらメニューを見ましたが、今イチ、分からず。

すると ”肝っ玉母ちゃん” 的な店員さんがやってきて、

「何を食べたらいいのか分からなければ、とりあえずこれを食べときなさい!」

というようなことを言った風で、何やら、隣りの常連さんらしきグループから

一皿借りてきて、見せてくれました。

どうやらお勧めのチキンらしかったので、もう疲れていた私たちは、

この際、名物料理とかは置いておいて、頂けるものを頂くことにしました。

それと、いつものミックスサラダも(Salada Mista)、忘れずに頼みました。

これでフランス、スペイン、ポルトガルと全3か国のサラダ征服です。

夫は、大好きなガス入り水(炭酸水)を飲んで、ご満悦でした。

 

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炭酸水、大好き

 

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ミックスサラダも美味しいですよ

 

ほどなくして、メインのチキンがやってきました。

トーストも付いていて、思ったよりもずっと美味しそうです。

口にしてみると、想像以上に肉汁がジューシーで柔らかく美味しい、

ローストチキンでした。

後でガイドブックの名物料理のページを見ていると、

「フランゴ・アサード(Frango Assado)」というローストチキン料理が。

恐らくこの料理だったと思われます。

外国人旅行者と知って、食堂自慢の郷土料理をお勧めしてくれたのだと思いました。

期せずして、とても美味しい名物料理を食べることができて、ラッキーでした。

 

それと、食後のカフェを頼みました。

ポルトガルでは、同じカフェでも、ミルクや水の量によって

様々な呼称があるようです。

それだけカフェに思い入れのある国なのでしょうか。

カフェと、何か特別な繋がりや深い歴史があるのかもしれません。

 

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フランゴ・アサードとメイア・ドゥ・レイテ(ミルクコーヒー)

 

ポルトガルに入って1日目。

夕食だけのポルトガル体験でしたが、大満足でした。

明日からは、ポルトガルの観光に入ります。

とても楽しみです。 

 

 

<第13日目: 8/9(水)> ポルト ~ コインブラ 

さて今日は、午前中はポルトの観光をして、午後には鉄道にて

コインブラへ向かいます。

コインブラでも少しくらい観光したいと思いますので、

忙しい日になりそうです。

 

まずは、ホテルを出て、

世界遺産の歴史地区とドロウ川周辺のの観光スポットへ向かいます。

 

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ホテルは写真奥、カフェの隣り

 

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ホテル近くの通り

 

地図を片手に15分ほど、川へ向かって歩くと、

だんだん賑やかな歴史地区の中心地へやって来ました。

街の家々は密集していて、横の建物との間の壁が独立していません。

ぴったりとくっついて所狭しと建てられた住居ですが、

その分、正面側の壁は各自、個性的に彩られ、

窓やベランダもそれぞれ特徴があり、隣との違いを主張しているようです。

建物を見ているだけでも、楽しい気持ちになりました。

 

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密集したお洒落な家々

 

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壁がくっついている

 

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外壁も個性的で素敵

 

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壁のタイルが美しい教会も・・・

 

それから到着したのは「リヴラリア・レロ・エ・イルマオン」

(Livraria Lello Et Lrmao)。

世界で一番美しい書店といわれる本屋で、「天国への階段」と称される

内装は、素晴らしく美しいものです。

ハリー・ポッターの作者、J.K ローリングが英語教師として

ポルトに滞在していたので、この書店が、ハリー・ポッターの世界観に

影響を及ぼしたのではないか・・・とも言われているそうです。

 

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世界で一番美しい書店

 

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正面玄関

 

夫は、入店するのを楽しみにしていたのですが、

店の外には長蛇の列が・・・。

調べたところ、ネットで入場時間を予約した方が良さそうだったのですが、

今イチ、予約の仕方が分からないので、

書店横の予約受付カウンターへ行って、そこで予約しようとしました。

ところが、ここも並んでます。

さらに運の悪いことに、何やら、予約サイトがダウンした様子。

受付のスタッフがバタバタする様子をしばらく眺めていましたが、

埒があかなそうです。

予約しなければ、1時間以上、書店の入口に並ぶしかない・・・。

 

並ぶのが大嫌いな夫は、入店を泣く泣く諦めることにし、

仕方なく入口で写真を撮ることにしました。

残念でした。

 

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長蛇の列を前に入店断念

 

その後は、書店前の「クレリゴス教会」を横目に、

サン・ベント駅」に向かいます。

 

この駅は「1990年に建造されたポルトを代表する濃厚な趣の鉄道駅」とのこと。

構内の2万枚のアズレージョ(絵タイル)の美しさが目を引きます。

 

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グレリゴス教会と鐘塔は街のシンボル

 

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サン・ベント駅の構内

 

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アズレージョの青色が本当に綺麗

 

写真を撮って、今度はドウロ川沿いへ向かうと、

また広場にやってきました。

路面電車も走っています。

 

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この広場の先に川が・・・

 

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路面電車も走っています

 

 

少し歩くと、オレンジ色の屋根の向こうに、川が見えてきました。

あれがドウロ川。 観光船も通っています。

 

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オレンジ色の屋根

 

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その先にドロウ川が見える

 

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観光船も通過中

 

階段を下に降りて行くと、目の前に広がるのは「ドン・ルイス1世橋」。

高架橋技師のエッフェル(エッフェル塔を建築)の弟子により建設された、

二重構造橋です。

川沿いの街並みとドン・ルイス1世橋の風景は、

街の代表的な観光スポットです。

 

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ドン・ルイス1世橋

 

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大きな橋・・・

 

その手前には、かわいいお土産屋さんやレストランが軒を並べています。

ここで、さくっとお土産を買います。

妻は、母に青いペンダントを。

ポルトの空が青くて美しかったので、良い記念になりました。

 

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かわいいお土産屋さん

 

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眺めのよいテラス席

 

それから、お腹もすいたので、眺めのよいテラス席のあるレストランへ。

夫は、ガイドブックに「モツマニア必食」とあった

ポルトの伝統料理、「トリパス・ア・モーダ・ド・ポルト

(Tripas a moda do Port、ポルト風モツ煮込み)を食べました。

モツ煮が大好きな夫は、これは外せません。

モツやチョリソを白インゲンやニンニクで煮込んだ料理だそうです。

 

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トリパス・ア・モーダ・ド・ポルト(モツ煮)

 

(夫記)


ポルトの名物料理、ポルト風牛もつ煮込み。
ポルトガル第2の都市、ポルトはポートワインの語源にもなった街です。
ポルトの市民は、トリペイロ(臓物食い)と呼ばれているのだとか。
かつて、ポルトガルがもっとも輝いていた大航海時代ポルトの市民たちは、牛肉の良い部位は船に乗って航海に出て行く夫や息子たちに食べさせ、国に残った人たちは、余り物の臓物を煮込んで食べていた。それがポルト風もつ煮込みの発祥ということらしい。食に歴史ありですねえ。そう思って食べると、このもつ煮込みは、またひとしお、おいしいですよ。

 

 

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おいしいですよ・・・

 

妻は何となく、食べる気がしなかったので、

いつものように、サラダ。

海の近くなので、魚介のサラダを頼みました。

 

美味しくいただいたところで、ポルトの観光メニューも終了。

午後1時を回っていたので、急いでホテルへ帰り、

預けていた荷物をピックアップして、鉄道の駅へ急ぎます。

 

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ホテルに急いで戻れ~

 

「カンパニャン駅」(Campanha)から、特急列車に乗って、

ポルトガル第三の都市、コインブラへ向かいます。

 

コインブラ(Coimbra)への特急は、優雅に1等車で。

ゆったりと落ち着いた座席で、新聞を読む乗客も。

クーラーも効きすぎるくらいで、つかの間の豪華な旅を満喫しました。

約2時間。 列車は「コインブラ」へ到着しました。

すでに16:00過ぎ。

 

駅前から歩いてすぐの「ホテル アストリア」へ。

モンデゴ川沿いで、優雅でクラッシックな佇まいの老舗ホテル。

客室の天井が高いのが特徴とのこと。

 

中に入ってみると、確かに落ち着いた重厚な作りのロビー。

アンティークなホテルだけあって、エレベーターも昔風で味のあるもの。

階段も狭いけれど、それがまたどこかの貴族の館のような趣があり、

歴史を感じさせます。

部屋も天井高く、シャンデリアも素敵です。

 

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ホテル アストリアの外観

 

 

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アンティークな作りのロビー

 

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天井が高く、シャンデリアが綺麗

 

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疲れた・・・寛ぐ夫

 

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部屋からの眺め

 

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大通りの向こうはモンデゴ川

 

夕方になったので、荷物を置いて、急いで観光に出かけます。

コインブラの観光と言えば、、ポルトガル最古で屈指の名門「コインブラ大学」。

アルカソバの丘の上に立っており、その周辺の旧市街には、

中世の建築物が数多く残る歴史地区となります。

ホテルの裏を歩いていくと、街歩きの起点のポルタジェン広場があり、

その横から歴史地区に入っていきます。

 

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ポルタジェン広場

 

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石畳の通りを行く

 

石畳の雰囲気ある通りの両側には、お土産屋さんやカフェがあり、

たくさんの絵ハガキやマグネットを乗せたラックが、店の前に置かれています。

坂道をゆっくり上がって行き、くねくねとした通りのさらに上っていくと、

小さな広場があり、カフェでお茶を飲む人、

階段に腰かけて休憩する人などがいます。

確かに、急な坂道と階段が続くので、かなり疲れます。

 

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くねくねとした坂道

 

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お土産屋さんもある

 

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途中の小さな広場で休憩

 

コインブラ大学の学生さんは、こういう坂道を毎日歩いて通っているのだなあ、

良い運動にはなるけど、大学行くのイヤになるなあ・・・などと思っていました。

先生や職員の方たちは、表通りからつながる道を車で通っているのでしょうか。

そういえば、正門近くにはバス停もあったので、

学生さんも、バス登校をしているのかもしれませんね。 

若くても、毎日ここの坂を上るのはツライと思います。

 

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坂道の途中にある旧カテドラル

 

 

何度かくねった道を左右に曲がりながら上がっていくと、やっと頂上に。

大学の建物が見えてきました。

けれど、黒いマントを着た学生さんたちの姿は目につきますが、

旅行者はいないようです。

大学の旧校舎にあるジョアニア図書館は必見なので、何とか見たいところ。

観光センターのようなところを見つけたので、早速入っていきました。

中は閑散としていて、観光客がいません。

受付できいてみると、もう閉館だそうです。

 

 

えっ・・・、コインブラに来て、コインブラ大学の見学をせずには帰れません。

明日は朝からリスボンに向かおうと思っていたけれど、急遽予定変更。

朝イチでコインブラ大学を見学してから、リスボンに行くことにしました。

明日に備えて、見学の仕方を確認。

基本的に入場料を支払えば、旧校舎内は自由に見学できるようですが、

見どころの図書館だけは、予め入場時間を予約しなければなりません。

予約時間の少し前に図書館入口に集まり、まとまって入館、

10分くらいで退館という流れのようです。

 

 

早速、朝10:00のグループを予約。

当日来て、その場で空いている時間を予約することもできるようですが、

前日予約をすれば待たなくて済むので、これで安心、良かったです。

 

大学は、夏休みの時期だと思うのですが、

それでも学生らしき人たちが歩いています。

暑いのに黒いマントを着ている人も。

コインブラ大学の学生の象徴のようです。

このマントを着たくて、受験勉強を頑張った学生さんもいることでしょう。

 

 

庭があったので歩いて行くと、そこには眺めの良い景色が・・・。

丘の上から見下ろした家々の屋根や、

夕日が反射していて輝いている川面が、とても綺麗でした。

 

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赤い屋根が特徴的な家々

 

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夕日が眩しい・・・

 

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光が反射して綺麗な川面

 

 

それから、坂道を下って、旧市街の広場に戻って行きました。

夕食を取るレストランを探していたところ、お土産屋さんから歌声が。

ファドのCDが流れているようでした。

ポルトガルの民族歌謡であるファド。

このコインブラでも、レストランやバーで聞くことができるそうなので、

早速、お店を探します。

ちょうど、階段のある広場前のバーで、

夜08:00から、ファドの演奏があるとのこと。

予め席を予約しておき、開始時間より少し前に入店して飲み物を注文。

演奏中はお店が暗くなってしまうので、注文ができないそうです。

 

テーブル席を予約してから、まだ時間があるので、

テラス席のあるカフェでお茶をしました。

けれど夕方になると、外は結構寒い・・・。

予定外の寒さに、一旦部屋に帰って、温かい服に着替えてくることにしました。

ホテルが観光地に近いと、こんな時はとても便利です。

 

ホテルで身体を温めて、少し休憩してから、また出てきました。

夕食は、結局バーの近くの簡単な食堂で。

食べ終わってすぐに行けるので、ギリギリまで食堂でゆっくりできます。

 

妻は、またここでもミックスサラダを頼みました。

簡単な食堂なのに、割とボリュームあるサラダでうれしかったです。

夫は、ポルトガル名物の干しダラ(バカリャウ)を。

竜田揚げのようにも見えます。

 

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妻のミックスサラダ

 

 

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干しダラ(バカリャウ)揚げ

 

 

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おいしいです・・・か?

 

 

予約時間15分前になったので、バーに向かいます。

小さいバーですが、二人掛けのテーブルが所狭しと並んでいます。

もう席もすっかり満席でした。

相変わらずの飲めないふたりなので、トニックウォーターとカフェを。

 

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雰囲気のあるバー

 

ほどなくすると、ドレスを着た女性歌手ふたりが入ってきて、

照明が消えて、舞台が始まりました。

ファドは、ギターなどの管弦楽器に合わせて、歌手が情緒たっぷりに歌います。

女性ふたりの歌手は、とても上手で哀愁が漂う歌声でした。

 

いろいろな言葉が飛び交っていたので、お客のほとんどは、

海外からの観光客のようでしたが、皆とても満足気でした。

本当は、最初の回の30分くらいで帰るつもりでしたが、

結局、次の回の演奏も聴いてから帰ったので、すっかり夜も更けてしまいました。

けれど良い演奏が聴けて、よかったです。

 

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美しい歌声が響く

 

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盛り上がる観客

 

この旅行も、いよいよ終わりに近づいて来ました。

明日は、最後の宿泊地のリスボンへ。

ここまで身体も壊さず、風邪も引かずに旅して来れたので、

残りの日々、より気を付けながら、楽しみたいと思います。

 

(夫記)


ポルトガル国民食と言われるのが、バカリャウ。たらを塩漬けにした干物です。このバカリャウを使ったメニューだけで365日過ごせるそうです。私たち日本人の味覚からしてもまずくはない。ただ、味は単調です。干し鱈ですから。


日本人に言わせれば、たらより、もっと美味い魚はいくらでもあるのに。と思うのですが、そこは大西洋にのみ面するポルトガルのこと。太平洋、日本海オホーツク海、瀬戸内海、東シナ海と、様々な海に恵まれた日本とは違います。結局、大西洋沿岸でたくさん取れる食用に適した魚と言うと、たらなのでしょう。そう言えば、イギリス名物のフィッシュアンドチップスもたらが原料です。イギリス人とポルトガル人は、世界有数のたら好きの国民として知られています。


大航海時代を支えた食糧は、保存食として優れた、このたらの塩漬けの干物だったのだそう。それを思えば、たらがポルトガル人のソウルフードであるのもわかりますね。
うまいとかうまくないとか言うのを超越した、先祖からの血に染み付いた、たら食への愛があるのでしょう。