<第3日目: 7/30(日)> エクスアンプロヴァンス~ ルールマラン~ラコスト~ゴルド
空は晴天。
ホテル前には、プラタナスの並木が広がっています。
窓から眺める清々しい景色に、旅に出たことを実感しました。
旅はこれから・・・。
久々の海外旅行に少し興奮気味の妻の横で、
毎年辺境の国々へ旅をしている夫は、淡々と出発の準備をするのでした。
10時チェックアウトに合わせて、早速、レンタカーに乗り込みます。
私たち夫婦は、休日は朝食を食べない派なので(ただの寝坊です)、
今回の旅行中も、朝食を飛ばして先を急ぎます。
一食抜くだけでも、案外良い時短になります。
今日はリュベロン地方の美しい小さな村々を回っていきます。
まずは、ルールマラン(Lourmarin)へ。
地球の歩き方には「オリーブ畑や果樹園の緑に囲まれた平和で美しい村」
とあります。
山あいの村ですが、可愛らしい雑貨店やカフェも並び、
お洒落な雰囲気が漂っています。
作家のカミュが晩年を過ごした村としても有名だそうです。
早速、車を駐車して村の散策へ。
観光シーズンなので、割と混雑している印象。
狭い通りを賑やかに人々が行き交います。
気持ちの赴くままに、
家々の間の細い路地も歩きました。
南仏の田舎のイメージにぴったりの穏やかな風景に大満足。
小さな村なので、迷うことなく散策を堪能できました。
広場のカフェでお茶もしました。
絵葉書に出てきそうなカフェでお茶をするのは良い気分です。
行き交う人々を眺めながら、その言語を聞いていると、
フランス語のほかにスペイン語も多いようです。
思いの外、英語は聞こえませんでした。
そろそろ次の村へ向かおうと駐車場へ。
駐車場の空き待ちらしき人に、
がっつりフランス語で話しかけられました。
さっぱりフランス語は分からないのですが、
勝手に会話を想像。
「今から出るけれど、準備があるからちょっと待ってくれる?」とか
言ってみました。
あちらがスペイン語が分かるのかは不明でしたが、
ニコニコしながらうなずいて車へ戻って行ったので、
何となく通じたようで、ほっ。
でもやっぱり、フランスの田舎へ行くなら、
片言でもフランス語の勉強をしてきた方が良さそうですね。
次回、来ることがあれば、
少しくらいは勉強して来ようかなあ・・・と思いました。
そして、次の村へ出発。
もう午後を結構過ぎていたので、旅を急ぎます。
ほどなくして到着したのは、ラコスト(Lacoste)。
ここは夫の強い希望で立ち寄りました。
18世紀、あの有名なサド侯爵が領主を務めていたとのこと。
現在の人口はわずか400人。
リュベロン地方で最も小さい村だそうです。
観光場所は、ずばり「サド侯爵の城」のみ。
外郭は、荒廃した中世の城、という感じでしたが、
現在はピエール・カルダンが所有し、夏にオペラやコンサートも開いているそうで、
内部の一部は綺麗に修復されていました。
(夫記)どうせなら、カルダンではなく、ワニのラコステが買収すればよいのに・・・
すっかり夕刻に近づいてきました。
本日の宿泊地、ゴルド(Gordes)へ向かいます。
ゴルドの滞在も1泊だけなので、
街の観光は夕食前に済ませなければなりません。
大忙しです。
ほどなくして、ゴルドへ到着。
まずは事前にネットで予約していたホテル「Des Romarins」へ到着。
崖の上に立つホテルで、ちょうど崖の向こう側がゴルドの村の中心地。
有名なゴルドの景観「崖上に岩のように密集している街並み」を、
中庭から一望できるというベストポジションに立つホテル。
部屋はコテージ風で、これまた南仏のイメージらしい
可愛らしいホテルで大満足でした。
今回の旅行で印象深かったホテルのうちのひとつでした。
日が長い夏。
ホテルで遅めの8時に夕食の予約をしてから、
急いで村の中心地へ。
崖の向こうを目指して10分ほど道路沿いに歩くと、
街の中心地が見えてきました。
石造りの家々が特徴的で、
昔よく読んだ童話に出てきそうな街並みでした。
しばし街の広場にあるベンチに座って、アイスクリームを堪能。
バタバタと忙しく走ってきた今日一日。
実は食事らしい食事をしていないことに気付きました。
今晩はホテルでコース料理を予約したので、
豪華フレンチに期待を寄せています。
6時頃を回っても、まだ明るい夏。
ホテルに帰っても、8時の夕食まで時間があるので、
気になっていたプールへ。
夕方になり、結構寒くなってきていましたが、
「南仏のホテルで泳いだ」という響きが、
ひどく格好良く思えたので、寒さを我慢して泳ぐことにしました。
・・・寒い。めちゃくちゃ寒い。
でも死んだ気で入ったら、ほどなくして慣れてきました。
20分くらいいたので、もう「南仏のホテルで泳いだ」という称号は得たと思い、
上がることにしました。
20代の欧米人カップルが、大はしゃぎでプールを堪能していましたが、
40-50代カップルの夫婦には苦行でした。
でも良い思い出になりました。
そしてやっとお待ちかねの夜8時。
さすがに外は暗くなり、中庭にセッティングされたテーブルには
ランプが灯されています。
他にも数組、ゲストがいて、
思い思いにワインを片手に食事を堪能していました。
私たち夫婦は残念なことに、ふたりとも下戸なのです。
良い年をした夫婦が、お洒落なレストランで
「ソフトドリンク、シルブブレ」的なのは、
いかがなものかと思いますが、仕方ありません。
ちょっとワインに見えそうなジンジャエールで見栄を張ってみます。
今日初めてのまともな食事。
豪華フランス料理を写真に収めてから、口にします。
野菜たっぷり、見た目も美しい食事でした。
少しお肉が硬かったけれど・・・。
南仏料理は、ソースがさっぱりしていて、
野菜やお肉の素材の味を生かしている気がしました。
明日はまた次の街へ旅立ちますので、
ほどほどのところで、部屋に戻ります。
ゆったり連泊の旅が好きな妻には、
連日、他のホテルに移る生活がなじめず、
ちょっと旅芸人の気持ちになってきましたよ・・・。