<第4日目: 7/31(月)> ゴルド ~ ポン・デュ・ガール ~ アヴィニョン
昨日は大忙しの一日だったけれど、
今日は割とのんびり余裕のあるスケジュールです。
ゴルドから車を走らせ、アヴィニョン(Avignon)方面へ。
一旦、アヴィニョンを通り過ぎて、その先にある
ポン・デュ・ガール(Pont du Gard)へ向かいます。
ポン・デュ・ガールは「緑の谷に架かる巨大なローマ水道橋」とのこと、
1985年に世界遺産に登録されています。
山に向かって走っていくと、ガルドン川が見えてきます。
ほどなくして、ポン・デュ・ガール入口の看板が・・・。
駐車場に入っていくと、キャンピングカーやバスなどの大型車も止まっていて、
大盛況。
てっきり「渓谷に架かっている水道橋を遠目から見る」
・・・くらいの観光地だと思っていた妻は、がっつり駐車場があり、
ビジターセンターがあり、入場券を購入という大がかりな設備に
ちょっと面食らってしまいました。
考えたら、世界遺産だから、維持費もかかるだろうし、
きちんと管理するのは当然なのですが、
事前知識のない妻は、もっと自然なかたちで
ひっそりと谷に佇んでいる橋だと思っていたのでした。
ビジターセンターで入場券を買い、中に入ると、
川には水遊びをする子どもたちが・・・。
その先に、大きな水道橋が見えます。
あれですね・・・。
ビジターセンターから水道橋へ向かって歩き、
水道橋の下方を歩いて川向うへ渡り、対岸を逆方向に歩いて
もうひとつの出入り口へ向かうことにしました。
この真夏の炎天下、結構大変な散歩が予想されます。
その前に腹ごしらえをしようということで、ガーデンレストランへ。
夫はランチセットを。
妻はフルーツたっぷりのサラダにしました。
妻はこの頃から、メニューを吟味するのが、だんだん面倒臭くなってきました。
一部名物料理は食べるにしても、それ以外は、
怒涛のサラダ攻撃が始まります。
元来サラダ好きなので、下手に重い肉料理を食べるより、
野菜で身体を整える方が体調に良いのです。
サラダの種類が豊富な南仏は(プロヴァンス風サラダ、ニース風サラダなど)、
妻にとっては身体に優しく美味しい旅行となりました。
(でもサラダと思えぬ値段の高さ・・・日本なら1,000円くらいのサラダが、
2,000円くらいってどうよ?!・・・って思いましたが、観光地なので
仕方ありませんね)
水道橋は大きく、見事でした。
橋の下方を歩いて川の向こう側へ歩きます。
橋を渡り切ったところで、そのままもうひとつの出入り口を目指します。
途中で、年輪を重ねたオリーブの木や、古木が無造作に生えています。
暑いので、だんだん無口になる妻。
もうすぐ出入口、やっとゴールと思ったところで、衝撃の事実発覚!
何とやっと到着したこの出入口と、スタート地点の対岸の出入口とは、
繋がっていない・・・というか最初の出入口付近にある駐車場に戻るには、
こちらの出入口からでは戻れず、とにかく元来た道を戻って、
また橋を渡り、対岸を歩いて戻るしかない・・・ということに気付きました。
ああ。
もう何も考えないで戻るしかない。
妻はもうガシガシ脇目も振らず、元来た道を戻ることにしました。
暑い、あつい、アツイ・・・。
競歩のような速さで、人並みを逆流して、ようやく辿り着いた駐車場。
もうしばらく大自然はいいや・・・と思った妻でした。
普段から登山が好きで、歩き慣れている夫は、
大して何とも思っていないようでしたが。
そして、いよいよ今日の宿泊地、アヴィニョン(Avignon)へ向かいます。
アヴィニョンは、城壁に囲まれた街です。
中心街へ行くには、城壁の外側から回り込んで、
点在する城門のひとつから入って行くのですが、
一方通行が多くて、適当な城門に辿り着くのに、少し苦戦しました。
また街中の道も狭く、やはり一方通行が多いので、
これまたホテルへ着くにも一苦労。
昔ながらの景観が守られて雰囲気のある街並みでしたが、
入り組んだ道が、車移動には酷でした。
何度かぐるぐる回って、やっとホテルに到着。
ほっとしました。
ここで妻が気付いたこと。
何だか、街が薄汚れてるというか荒廃してる?
そう感じた理由は、狭い路地の壁の至るところに、
紙のポスターが何種類も貼ってあって、それが剥がれ落ちて、
風に飛ばされて、道に散らばっていて・・・。
紙屑があちらこちら、舞っていたのです。
ろくに掃除していない街・・・?
何となく、ゴミだらけの狭い路地が無数にある街は、
治安が悪い気がして心配になりました。
不安になって、ホテルのレセプションで街の治安を聞いたところ、
意外にも「全くもって心配なし!安全!」という返答。
それをきいて少し安心した妻。
チェックイン後、急いで、街歩きと食事に出かけます。
その際に貴重品を”ホテルに預ける”か、”持っていく”か、少し悩みました。
今回のホテルは、全くもって普通の安めのホテル。
セイフティーボックスもなく、預けるとしたらレセプションですが、
雑多な事務室のようなレセプション。
結局、預けるよりも、ひったくりに気を付けながら、
全財産を持ち歩くことにしました。
バックをタスキ掛けにして、しっかりとファスナーを押さえ、
警戒しながら、歩く妻。
過去、南スペインで何度かひったくりに合ったことのある妻。
(その内1回は、目の前でナイフを使ってバックの紐を切られそうになった)
人一倍った警戒心が強く、この旅の前半戦はずっと、
どこか怯えながら旅をしていました。
それに引き換え、夫は心配なんてどこふく風。
辺鄙な国へ行っては、スマホ盗まれたり、そこそこ盗難に合っているのに、
「あ~あ、盗られちゃった。残念!」くらいでちっとも堪えていない。
心配性のA型妻と、おおらかで適当なO型夫という性格の違いもあるけれど、
これ、男女差によるショックの受け止め方の違いなのかも・・・。
ポスターの紙屑が舞い散る薄暗い路地を歩いて、
法王庁宮殿などの観光へ。
アヴィニョンも一泊なので、とりあえず見どころは押さえます。
それから街の中心の広場へ行くと、大勢の人だかりが・・・。
大道芸をやっていて、とても賑やかでした。
そこでハタと気付いたこと。
ガイドブックによると、ここアヴィニョンでは、毎年7月上旬から3週間、
街をあげて夏の芸術祭が大々的に行われていること。
劇場だけでなく、街の至るところが舞台となって、
大小300にも上る演劇が催されるとのこと。
それを目当てに世界中から人々が集うということ。
私たちが到着したのは、ちょうどそんな芸術祭が終わったばかり。
街の薄暗い路地に、所狭しと貼られたポスターは、
実は、この芸術祭の舞台用の告知ポスターであり、また芸術祭終了直後だった為に、
街の清掃がまだ追い付いていなかったのではないのかということ。
・・・そう気付いた途端に、
不衛生で治安があまりよくなく見えた路地裏が、
芸術的で生き生きとした路地裏に見えてきました。
ただの紙屑だと思っていたポスターだって、
とても文化的な匂いがするように思えてくるから不思議。
こんなに芸術的で華やかな街なのに、勝手に荒廃した街だと思って、
大変失礼しました・・・と思った妻でした。
そして広場で食事。
大量のムール貝とサーモン料理で大満足でした。
日本では、こんなに大量のムール貝は、なかなか食べられないので、
今のうちにたくさん食べておきます。
今日も結局、なかなか疲れた一日でした。
まだまだ先が長い・・・。
毎日スケジュールをこなすのに手一杯で、どこへ行ったのか、何を見たのか、
ちょっとゴチャゴチャになって、分からなくなって来ました。
妻、ハードな部活の合宿に参加している気持ちにもなって来ましたよ・・・。