レンタカー&鉄道で巡る 南仏・スペイン巡礼路・ポルトガルの旅 17日間

旅好き夫と怠け者妻の夫婦ふたり旅・・・ちょっと長かったけど、楽しかったです。

<第4日目: 7/31(月)> ゴルド ~ ポン・デュ・ガール   ~ アヴィニョン

昨日は大忙しの一日だったけれど、

今日は割とのんびり余裕のあるスケジュールです。

 

ゴルドから車を走らせ、アヴィニョン(Avignon)方面へ。

一旦、アヴィニョンを通り過ぎて、その先にある

ポン・デュ・ガール(Pont du Gard)へ向かいます。

 

ポン・デュ・ガールは「緑の谷に架かる巨大なローマ水道橋」とのこと、

1985年に世界遺産に登録されています。

 

山に向かって走っていくと、ガルドン川が見えてきます。

ほどなくして、ポン・デュ・ガール入口の看板が・・・。

駐車場に入っていくと、キャンピングカーやバスなどの大型車も止まっていて、

大盛況。

てっきり「渓谷に架かっている水道橋を遠目から見る」

・・・くらいの観光地だと思っていた妻は、がっつり駐車場があり、

ビジターセンターがあり、入場券を購入という大がかりな設備に

ちょっと面食らってしまいました。

考えたら、世界遺産だから、維持費もかかるだろうし、

きちんと管理するのは当然なのですが、

事前知識のない妻は、もっと自然なかたちで

ひっそりと谷に佇んでいる橋だと思っていたのでした。

 

ビジターセンターで入場券を買い、中に入ると、

川には水遊びをする子どもたちが・・・。

その先に、大きな水道橋が見えます。

あれですね・・・。

 

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ポン・デュ・ガール、ローマの水道橋

 

ビジターセンターから水道橋へ向かって歩き、

水道橋の下方を歩いて川向うへ渡り、対岸を逆方向に歩いて

もうひとつの出入り口へ向かうことにしました。

この真夏の炎天下、結構大変な散歩が予想されます。

 

その前に腹ごしらえをしようということで、ガーデンレストランへ。

夫はランチセットを。

妻はフルーツたっぷりのサラダにしました。

 

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妻のフルーツサラダ

 

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夫のランチセットの前菜


 妻はこの頃から、メニューを吟味するのが、だんだん面倒臭くなってきました。

一部名物料理は食べるにしても、それ以外は、

怒涛のサラダ攻撃が始まります。

元来サラダ好きなので、下手に重い肉料理を食べるより、

野菜で身体を整える方が体調に良いのです。

 

サラダの種類が豊富な南仏は(プロヴァンス風サラダ、ニース風サラダなど)、

妻にとっては身体に優しく美味しい旅行となりました。

(でもサラダと思えぬ値段の高さ・・・日本なら1,000円くらいのサラダが、

2,000円くらいってどうよ?!・・・って思いましたが、観光地なので

仕方ありませんね)

 

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水道橋で楽しそうな夫

水道橋は大きく、見事でした。

橋の下方を歩いて川の向こう側へ歩きます。

橋を渡り切ったところで、そのままもうひとつの出入り口を目指します。

途中で、年輪を重ねたオリーブの木や、古木が無造作に生えています。

 

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オリーブ好きの妻

 

暑いので、だんだん無口になる妻。

もうすぐ出入口、やっとゴールと思ったところで、衝撃の事実発覚!

何とやっと到着したこの出入口と、スタート地点の対岸の出入口とは、

繋がっていない・・・というか最初の出入口付近にある駐車場に戻るには、

こちらの出入口からでは戻れず、とにかく元来た道を戻って、

また橋を渡り、対岸を歩いて戻るしかない・・・ということに気付きました。

 

ああ。

もう何も考えないで戻るしかない。

妻はもうガシガシ脇目も振らず、元来た道を戻ることにしました。

暑い、あつい、アツイ・・・。

競歩のような速さで、人並みを逆流して、ようやく辿り着いた駐車場。

もうしばらく大自然はいいや・・・と思った妻でした。

普段から登山が好きで、歩き慣れている夫は、

大して何とも思っていないようでしたが。

 

そして、いよいよ今日の宿泊地、アヴィニョン(Avignon)へ向かいます。

アヴィニョンは、城壁に囲まれた街です。

中心街へ行くには、城壁の外側から回り込んで、

点在する城門のひとつから入って行くのですが、

一方通行が多くて、適当な城門に辿り着くのに、少し苦戦しました。

また街中の道も狭く、やはり一方通行が多いので、

これまたホテルへ着くにも一苦労。

 

昔ながらの景観が守られて雰囲気のある街並みでしたが、

入り組んだ道が、車移動には酷でした。

何度かぐるぐる回って、やっとホテルに到着。

ほっとしました。

 

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アヴィニョンの街並み

 

ここで妻が気付いたこと。

何だか、街が薄汚れてるというか荒廃してる?

そう感じた理由は、狭い路地の壁の至るところに、

紙のポスターが何種類も貼ってあって、それが剥がれ落ちて、

風に飛ばされて、道に散らばっていて・・・。

紙屑があちらこちら、舞っていたのです。

ろくに掃除していない街・・・?

 

何となく、ゴミだらけの狭い路地が無数にある街は、

治安が悪い気がして心配になりました。

 

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壁にぎっしりのポスター

 

不安になって、ホテルのレセプションで街の治安を聞いたところ、

意外にも「全くもって心配なし!安全!」という返答。

それをきいて少し安心した妻。

 

チェックイン後、急いで、街歩きと食事に出かけます。

その際に貴重品を”ホテルに預ける”か、”持っていく”か、少し悩みました。

今回のホテルは、全くもって普通の安めのホテル。

セイフティーボックスもなく、預けるとしたらレセプションですが、

雑多な事務室のようなレセプション。

 

結局、預けるよりも、ひったくりに気を付けながら、

全財産を持ち歩くことにしました。

バックをタスキ掛けにして、しっかりとファスナーを押さえ、

警戒しながら、歩く妻。

過去、南スペインで何度かひったくりに合ったことのある妻。

(その内1回は、目の前でナイフを使ってバックの紐を切られそうになった)

人一倍った警戒心が強く、この旅の前半戦はずっと、

どこか怯えながら旅をしていました。

 

それに引き換え、夫は心配なんてどこふく風。

辺鄙な国へ行っては、スマホ盗まれたり、そこそこ盗難に合っているのに、

「あ~あ、盗られちゃった。残念!」くらいでちっとも堪えていない。

心配性のA型妻と、おおらかで適当なO型夫という性格の違いもあるけれど、

これ、男女差によるショックの受け止め方の違いなのかも・・・。

 

ポスターの紙屑が舞い散る薄暗い路地を歩いて、

法王庁宮殿などの観光へ。

アヴィニョンも一泊なので、とりあえず見どころは押さえます。

それから街の中心の広場へ行くと、大勢の人だかりが・・・。

大道芸をやっていて、とても賑やかでした。

 

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法王庁宮殿入口

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法王庁宮殿内部

 

そこでハタと気付いたこと。

ガイドブックによると、ここアヴィニョンでは、毎年7月上旬から3週間、

街をあげて夏の芸術祭が大々的に行われていること。

劇場だけでなく、街の至るところが舞台となって、

大小300にも上る演劇が催されるとのこと。

それを目当てに世界中から人々が集うということ。

 

私たちが到着したのは、ちょうどそんな芸術祭が終わったばかり。

街の薄暗い路地に、所狭しと貼られたポスターは、

実は、この芸術祭の舞台用の告知ポスターであり、また芸術祭終了直後だった為に、

街の清掃がまだ追い付いていなかったのではないのかということ。

 

・・・そう気付いた途端に、

不衛生で治安があまりよくなく見えた路地裏が、

芸術的で生き生きとした路地裏に見えてきました。

ただの紙屑だと思っていたポスターだって、

とても文化的な匂いがするように思えてくるから不思議。

こんなに芸術的で華やかな街なのに、勝手に荒廃した街だと思って、

大変失礼しました・・・と思った妻でした。

 

そして広場で食事。

大量のムール貝とサーモン料理で大満足でした。

日本では、こんなに大量のムール貝は、なかなか食べられないので、

今のうちにたくさん食べておきます。

 

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とりあえず炭酸水で乾杯!

 

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ムール貝とサーモン料理でご満悦

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ニース風サラダも。


 

今日も結局、なかなか疲れた一日でした。

まだまだ先が長い・・・。

毎日スケジュールをこなすのに手一杯で、どこへ行ったのか、何を見たのか、

ちょっとゴチャゴチャになって、分からなくなって来ました。

妻、ハードな部活の合宿に参加している気持ちにもなって来ましたよ・・・。