レンタカー&鉄道で巡る 南仏・スペイン巡礼路・ポルトガルの旅 17日間

旅好き夫と怠け者妻の夫婦ふたり旅・・・ちょっと長かったけど、楽しかったです。

<第9日目: 8/5(土)> パンプローナ ~ ログローニョ   ~ ブルゴス

今日は、パンプローナからブルゴスへ。

途中、ログローニョへ寄ります。

 

まずは、パンプローナのホテルの1Fにあるカフェでお茶をしました。

私たちが宿泊するホテルの多くは、部屋にポットセットがないので、

朝一のカフェ行きはかかせません。

荷物を車に入れて、チェックアウトしてから、

ゆったりとカフェに入り、今日の旅程を確認する・・・。

これが結構、贅沢な時間となりました。

 

目が覚めてテンションが上がって来たところで、ドライブへ。

訪れたのは、ログローニョ(Logrono)。

歴史的な巡礼地であり、美食の都、リオハワインの産地とのこと。

ここでブランチを取ることにしました。

街を散策しながら、良いレストランを探します。

 

街のランドマークとして、目につくのは、

15世紀に建設されて、18世紀まで増改築が行われたバロック様式の教会、

「サンタマリア・デ・ラ・レドンダ大聖堂」。

その周辺にある小道は、たくさんのバルで賑わっています。

 

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サンタマリア・デ・ラ・レドンダ大聖堂

 

 

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お洒落なバルが立ち並ぶ通り

 

ピンチョスやタパスが並ぶ華やかでお洒落なバルを横目に、

手ごろなランチセットを提供しているレストランを見つけて入ります。

中に入ると、やはりスペイン人たちの賑やかなおしゃべりの声が・・・。

絶対地声が大きい。

複数が同時に話す。

下手したら男性の方がおしゃべり。

でもそんな喧騒も、スペインらしくて好きな妻でした。

 

注文したセットメニューはデザートまで付いていて、

結構おいしかったです。

 

そして、いよいよ今日の宿泊地、ブルゴス(Burgos)へ。

中世の城下町であり、レコンキスタの英雄「エル・シッド」の出身地です。

まずはホテルへチェックイン。

街の中心地から車で5分ほどの閑静なところにあります。

 

ホテルというより、プチホテルというか宿というか、

とにかくこじんまりとしているけれど、

石の壁に、貝殻風のライトがついているなど、凝った内装です。

 

 

 

 

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かわいいプチホテル

 

 

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内装も素敵

 

よく見ると、フロント脇のショーウインドウに、日本のこけしが・・・。

ちょうどそこへ日本人の女性が現れました。

聞けば、そのホテルの長男の奥さんだそうで、

普段はスペイン人の旦那さん(長男)とドイツに住んでいて、

たまたま休暇中とのこと、家族で帰省していたそうです。

思いがけないところで日本人女性に出会えて、うれしかったです。

 

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清潔感ある、かわいい部屋

 

早速、部屋に荷物を置いて、街の観光へ出かけます。

お目当ては、もちろんカテドラル(大聖堂)。

このブルゴスの大聖堂は、スペイン3大ゴシック大聖堂のひとつ。

(他のふたつは、セビーリャの大聖堂とトレドの大聖堂)

13世紀に着工して、16世紀に完成しました。

エル・シッドの墓もあります。

 

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街の中心地への入り口

 

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ブルゴスの大聖堂

 

大聖堂の前で、ちょうど結婚式のお祝いをやっていました。

伝統的な衣装を着た踊り子たちが、ダンスを踊っています。

中から新郎新婦やその招待客たちが出てきます。

とても華やかな結婚式でした。

 

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伝統的な衣装の踊り子たち

 

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鮮やかな衣装が素敵

 

そして大聖堂の中へ。

大理石と金・銀の装飾、色とりどりのステンドグラスの美しさに

目を奪われます。

荘厳なゴシック様式の大聖堂でした。

 

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荘厳なゴシック様式

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とても高い天井

 

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銀の置物も見事

 

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エル・シッドの墓

 

その後、街を散策しながら夕食のレストラン探し。

日中は結構暖かかったのですが、真夏といはいえ、

夜は妙に寒くなって来たので、焦って探します。

いくつかの広場や通りをぐるぐるして、

 

一番お洒落に見えたレストランに入ることにしました。

 

中は暖色系のライティング。

木のぬくもりも温かく、冷えた身体が少しずつ生気を取り戻します。

妻は、本日2度目のミックスサラダ。

こうなったら、飽きるまでミックスサラダ、食べつくしてやる・・・。

でも、まだまだ飽きる気配がない妻でした。

 

夫は、寒いので「ソパ・デ・アホ Sopa de Ajo」(にんにくスープ)と、

「カリョス Callos」(牛の胃袋の煮込み料理)を。

どちらもスープ系になってしまいましたが、身体が温まって、美味しかったです。

 

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お決まりのミックスサラダとソパ・デ・アホ

 

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カリョス、牛の胃袋の煮込み

 

駐車場まで戻る際に、夜のエル・シドの像を撮影。

暗闇に浮かび上がって、より一層迫力がありました。

 

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暗闇に浮かび上がるエル・シッドの像

 

それにしても寒い・・・。

8月でこの寒さ・・・夜現在、13度くらいと聞きました。

20度前後対応の服装でフラフラしてたので、たまりませんでした。

夏のヨーロッパの夜は、侮れません・・・ 。

  


(夫記)


   エルシドと聞いて、チャールトン・ヘストン主演の映画を思い出すのは、特定の世代、それも男性に限られるのではないでしょうか。1961年制作の映画なので、私も映画館で見たわけではなく、テレビやビデオで見たものなのですが。この映画で、騎士が馬上ですれ違いざま相手を槍で突き、落馬した方が負け、という馬上槍試合のシーンは、とても印象深く、私の中でのいわゆる騎士物語の原型イメージの一つとなっています。
 中世の騎士のイメージはというと、強くて勇敢、誇り高く、情熱的で礼儀正しく、女性に優しい。知的でもあり、詩や音楽を愛する。と言ったところでしょうか。中世騎士物語の代表格としてよく出てくるのはアーサー王と円卓の騎士たちの物語です。
 ただアーサー王が活躍したとされるのは(あくまでも伝説ですが)、6世紀のブリテン(イギリス)です。6世紀のブリテンは、お世辞にもそんな華やかな中世的な騎士道が育つような土壌ではありません。
 上述のような中世騎士のイメージを提供したのは、イスラムとの絶えざる戦火の中にあったレコンキスタの時代のスペインの騎士たちではなかったか。彼らは、敵であるイスラムとの接触によって洗練され(当時は文化的にもイスラムは先進国でした)ていきました。
 スペインの騎士たちは、ヨーロッパのキリスト世界の前衛として、常にイスラムとの戦いの最前線にいました。それゆえ誇り高く、ヨーロッパの国々の宮廷では、肩で風を切って歩いていたのではないか。そんなスペインの騎士たちの風俗から、中世の騎士のイメージ、ひいては騎士道というものが出来上がっていったのではないか。そう考えると、現代にも残るレディ・ファーストの淵源は、実はスペインにあるのでは?と考えたりしました。