レンタカー&鉄道で巡る 南仏・スペイン巡礼路・ポルトガルの旅 17日間

旅好き夫と怠け者妻の夫婦ふたり旅・・・ちょっと長かったけど、楽しかったです。

<第5日目: 8/1(火)> アヴィニョン ~ カルカッソンヌ

 

今日はアヴィニョンから、カルカッソンヌ(Carcassonne)へ。

ひとつの街の見学だけなので、今日こそ余裕があるかな・・・と思いつつ、

アヴィニョンの街の城壁外へ出ました。

 

今日も良い天気でドライブ日和。

車の助手席で鼻歌を歌う妻。

城壁脇の信号機が赤になり、夫がゆっくりブレーキをかけます。

 

 

・・・とそこで異変が!

赤信号で停車している何車線かの車をめがけて、どこからともなく

窓拭き道具と雑巾を携えた複数の男女が、駆け寄って来ます。

ジプシー風の女性もいれば、最近の若者のような男女も・・・。

 

私たちのシトロエンの前にも、にんまりと笑った金髪・そばかすの若い女性が。

ニコニコ愛想を振りまきながら、夫側のフロントガラスを拭いて、

今度は妻側のフロントガラスへ。

突然の出来事に、妻、驚きを隠せません。

 

隣の別の車(運転手は地元の人らしい)でもジプシー風の女性が、

かいがいしく掃除を始めます。

運転席と助手席、ふたりともが窓を閉めたまま、手を大きく振って、

どいて!というジェスチャーをしています。

 

これって、勝手にフロントガラスを掃除して、料金を要求するやつ・・・。

うっかり窓を開けたら、どうなるか分かりません。

さすがに先日テレビ番組でやっていた、某南米の国のように、

車の窓を開けたら銃を突き付けられたとか、盗難に遭ったとか、

そこまで怖いことは起こらないだろう・・・と思いつつも、

不信感と不快感でいっぱいになりました。

 

隣の夫婦のように、私たちもふたりで、どいて!というジェスチャーをしたのですが、

この女性、私たちが旅行者で不慣れだと思ったのか(当たってるけど)、

信号が青になってもなかなかどかず、それどころか、

妻側のサイドガラスをものすごい鬼の形相で覗き込んできて、

料金払え!というアピールとともに、

窓を拭く器具で、サイドミラーをバンバン叩き始めました。

 

・・・怖い。こわい。コワイ。

お姉さん、怖いよ。若いのに怖すぎる・・・。

もうホラー映画の一場面を思い出して、妻、泣けてきました。

 

なぜ・・・というか、ちゃんと相手を選んでいるというか、

夫ではなくて、弱そうな妻の方ににじり寄って来ます。

だからと言って、それに負けて窓開けてお金払ったりしないけれど、

腹いせに、本当にミラー壊されたらどうしよう。

レンタカーなんですよ、これ。

保険かかってても、壊されるの嫌だ・・・。

 

頭が若干、パニックになっている妻を横目に、

夫は冷静に、徐々に車を発進し始めました。

それでも進行を邪魔するように、数秒、

フロントガラスにのしかかっていた彼女でしたが、

諦めたのか、最後に渾身の恐ろしい顔で、妻をキッと睨んで去って行きました。

 

ひえ~~~~。

これ、絶対、夢に出てくるよ~~~。

 

夫はちょっとイラっとしながらも、

平気で運転を続けていましたが、

妻は、この一件、しばらくトラウマになりました。

 

とはいえ、怖かった経験は後にも先にもこれだけだったので、

やはり、全体的にはとても安全な旅だったと言えましょう・・・。

 

さて、妻が気を取り直して、Google Mapで道のナビをします。

妻は方向音痴ですが、意外と地図を読むのが好きなのです。

運転は下手だけれど。

途中、ドライブインに寄りながらも、いよいよ目的地に。

 

f:id:tabihiyo:20180219195112j:plain

ドライブインで休憩中

 

そして、カルカッソンヌ(Carcassonne)に到着しました!

この街は、ヨーロッパ最大の城塞が残っていて、

カルカッソンヌを見ずして死ぬな」とまでいわれているそうです。

(←この「・・・を見ずして死ぬな」的な言い回し、

世界の観光地には結構ありますね。でも、そう言われたら見ないわけにはいきません)

 

この街は、高台を占める中世の城塞”シテ”と、城外の下町とに分かれています。

見学したいのは”シテ”の方。

早速、高台に上がって行き、駐車して入口の門へ向かいます。

 

f:id:tabihiyo:20180219195411j:plain

シテの入り口、ナルボンヌ門

 

ちょっとディズニーの白雪姫のお城のような城塞です。

その門の中に、城内の街があります。

観光客が、次から次へと門の中へ吸い込まれていきます。

 

f:id:tabihiyo:20180219201225j:plain

門の外側の城壁

 

f:id:tabihiyo:20180219201455j:plain

反対側の城壁

 

f:id:tabihiyo:20180219195716j:plain

門の中へ・・・

 

f:id:tabihiyo:20180219195904j:plain

なぜか「進撃の巨人」の一場面を思い出しました

 

早速、私たちも中へ入って行きました。

中心のコンタル城まで城内の石畳の通りを歩いていきますが、

両側の古い家屋や街並みが、中世の童話の中に出てくる挿絵のようで、

とても気に入りました。

 

f:id:tabihiyo:20180219200150j:plain

童話の挿絵みたいな街

行きの飛行機で「美女と野獣」の実写版映画を見たのですが、

そのベルが住む街ってこんな感じだったのかな・・・と思わせる雰囲気でした。

ここでなら、ベルが歌いながら横丁から飛び出してきても、

全然おかしくないです。

・・・いや、やっぱりおかしいか。

 

(夫記)
こういう典型的な中世ヨーロッパ風のお城を見て何を思い出すかは、世代間格差がありますね〜 進撃の巨人美女と野獣? いやいや、そこはリボンの騎士では?

 

f:id:tabihiyo:20180219200535j:plain

お土産屋さんもたくさん

 

そして、いよいよコンタル城内へ。

中庭や城壁を歩いたり、上から街を見下ろしたりして、中世の風を感じました。

妻は子供の頃、童話を読むと、内容よりも挿絵ばかりが気になっていて、

大人になったら、こういう挿絵の街へ旅したい・・・と思っていたのですが、

幸い、大人になってそういうチャンスに何度か恵まれてきたので、

子どもの頃の夢のいくつかは叶ってうれしく思います。

 

f:id:tabihiyo:20180219201718j:plain

中庭

 

f:id:tabihiyo:20180219201747j:plain

城壁の上を歩く

 

f:id:tabihiyo:20180219201825j:plain

城壁の上から見た街の景色

 

その後は、街の外のハイウェイ沿いにあるホテルへ向かいます。

チェックイン後、また街中に戻るのも面倒だったので、

ホテルの前にある巨大スーパー脇のカジュアルレストランへ。

 

サラダの食べ放題があったので、うれしかったです。

もう名物料理とか、きちんとしたレストランとかに対する憧れは薄れていて、

リーズナブルに普通の食事ができれば(特にサラダが食べれれば)幸せです。

 

調子に乗った妻が、サラダ横にある赤いトマト状の液体をドレッシングだと思って、

たくさんサラダにかけ始めたのですが、

後ろから来たメガネのお洒落なお兄さんが、

「それ、トマトスープですよ・・・」と困惑気味に教えてくれました。

紛らわしいですよ、その置き場所・・・。

 

その後、レストラン横のスーパーをブラブラして、

翌日のブランチ用に、またサラダを買いました。

以前から、ドライブが長い日は、スーパーでフランスパンやパテ、

サラダを買って、サービスエリアで食べようね・・・と計画していたので、

明日、早速実行です。

オリーブ数種類と、アンティチョークの酢漬けの瓶なども買い込んで、

明日のお昼を楽しみに、ホテルに戻ります。

 

(夫記) プロヴァンスでの旅の食事


プロヴァンスでは、ピーターメイルの本にも出てきそうな、ポテトとガーリックとチーズのオーブン重ね焼き(適当に命名)がいたく気に入りました。それと、必ずと言って良いほど食卓に添えられる、いろんな種類のパテ。定番は、黒いオリーブのパテですが、ガーリック入りの白いパテ、サーモンと唐辛子入りの赤いパテ、バジルの入った緑のパテなど、色も味もさまざまで、フランスパンに良く合います。これがとても美味かったので、ドライブ旅行中の昼食にしたほか、たくさん買い込んで日本に持ち帰り、家での朝食にしばらく食べていたのですが、、、、現地で食べたときほど美味くない。旅のあるあるですが、やはり、気候風土に合った食事は、現地でたべるのが一番美味い、ということですね。

 

ホテルでは、夫が翌日の見学ルートと宿泊ホテルを決めています。

妻は今回の旅では、大まかなルート(南仏→スペイン巡礼路→ポルトガル)と

一部の大都市の宿泊先しか把握していないので、

どこへ行くかは、その日の朝、車で知らされることになります。

(別に前日、教えてもらってもいいのですが、妻は寝てしまって聞く気がないのです)

 

妻はこのギャンブル的な旅・・・というか全部丸投げ、無責任な旅が、

結構気に入っています。 

楽だから。

 

さて、明日はどこへ行くのかな・・・?

まっ、どこでもいいか・・・ぐー・・・zzz