レンタカー&鉄道で巡る 南仏・スペイン巡礼路・ポルトガルの旅 17日間

旅好き夫と怠け者妻の夫婦ふたり旅・・・ちょっと長かったけど、楽しかったです。

<第2日目: 7/29(土)> マルセイユへ到着~エクスアンプロヴァンスへ。

「7/29(土) 04:30AM パリ着」、まだ外は真っ暗。

夏なので、軽い服装しか持って来ていなかったのですが、

なぜか空港を行き交う人々は、結構厚着。

まるで秋のよう・・・。

少し不安を覚えながら、約4時間の乗り継ぎ待ちです。

 

妻は7年ぶりの海外。

これからどんな旅が始まるのかワクワクします。

 

その後、「08:25AM発のAF-7672」にてマルセイユへ。

09:45AMに到着しました。

 

さんざん機内で寝たので、元気です。

荷物をピックアップ後、すぐに空港外へ出るので、

取り急ぎ、盗難対策。

 

肩掛けかばんをたすき掛けにして、

さらにバッグ部分に上から上着をかけて、

スリができにくくしました。

 

何度か海外生活をしてきた中で、

盗難に対する恐怖が、より増殖してしまった今。

今回は夫と一緒の旅なので、

ひとりで生活していた頃と比べて、不安は少ないものの、

それでもビクビクがぬぐえません。

 

怯える私を尻目に、夫は余裕でスタスタ歩きます。

もう少し、盗難に備えて気を付けてほしいと思うけれど、

男性と女性は狙われる率が違うので、

やはりここら辺の心持ちは差が出てしまいますね。

 

さて、空港を出たところで、早速Hertzレンタカーの看板を探します。

マルセイユは晴天で、とても清々しく、素晴らしい滑り出しとなりました。

 

Hertzのカウンターは、すぐに見つかりました。

それほど混んでいなく、あっという間に順番が・・・。

カウンターの担当の女性は、私たちが日本人だと知ると、

自身が来週、日本に旅行に行く話などをしてくれました。

日本が好きと言ってくれたので、とてもうれしてくなりました。

 

簡単な契約の説明を受け、保険の確認などをしました。

JAFにあたるサービスが受けられるオプションも追加。

空港からマルセイユ市内への道なども質問しました。

 

各街での駐車場については、

路上の駐車場でなく、地下の駐車場を探すようにアドバイスを受けました。

路上では破損や盗難の心配があるけれど、

地下の駐車場では、きちんと施錠さえすれば安全とのこと、

車上荒らしが心配だったので、アドバイスを受けて安心しました。

 

いよいよ、キーを受け取って車を探します。

たくさんの車の中から該当車を見つけて、

早速、施錠を外します。

車はシトロエン

何だか日本車よりずっと高性能に見えます。

 

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シトロエン

 

(夫記 )

フランス車を運転するのは初めてです。ん!これは?と思った点が2つ。まずハンドルの奥の上部に、プラスとマイナスとだけ書いたノブのようなものが付いています。なんじゃこれは?と思い、駐車場にいたその辺のお兄さんに聞いて見ると、どうやらこれで、オートマ車であるにもかかわらずマニュアル車のようなシフトチェンジができるらしい。ハンドルを握った手の中指薬指あたりをちょっと伸ばして動かせば、シフトダウンしてエンジンブレーキを効かせたり、といったマニュアル車チックな運転ができるのです。これは便利でした。
もう一点、おお、と思ったのは、メーターの上あたりに走行中の道路の車線の状況がリアルタイムで映し出されるところです。そして、車線をはみ出すと警告音が鳴ったりする。どういうシステムで、そうなっているのか分かりませんが、車が道路と自車の位置をここまで把握できるのなら、自動運転は本当にもう目前まで来ていると言えるでしょう。
フランス車なんて日本車の敵ではないだろ、と、思っていましたが、シトロエン、侮れません。侮れないどころか、このコンパクトクラスの車でこの装備。ひょっとすると日本車の上を行っているのでは?という不安にかられるくらい、良い車でした。

 

施錠の仕方や、トランクの開け方などを確認し、

ハンドル廻りもチェック。

分からないことはカウンター付近にいるスタッフにきいて、

ちょっとドキドキしながら、公道へ。

 

これが本当の旅の第一歩。

Google Mapで道を確認しながら、マルセイユ市街へ向かいます。

右側通行に注意するくらいで、特に難しいこともなく

快適なドライブです。

思った以上にGoogle Mapが使えるので、

ほぼ間違えずに、マルセイユ市街に到着しました。

 

マルセイユでは、アドバイス通りに地下駐車場を探してパーキング。

街の中心、旧港(Vieux Port)へ向かいました。

旧港にある「イフ島船着き場」の広場は、観光客で賑わっていました。

海が本当に青くて、カモメも飛んでいます。

街並みも異国情緒があり、ずっと憧れていた南仏に来たのだな・・・と

妻は感慨深くなりました。

 

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マルセイユの旧港でポーズ

 

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レストランを探す

 

旧港の並びにあるテラスレストランで、

マルセイユ名物の「ブイヤベース」と、ムール貝を食べました。

適当に入ったレストランでしたが、

びっくりするほど美味しかったです。

 

その後、いろいろなレストランで食事をしましたが、

初日のブイヤベースとムール貝

これに敵う食事はありませんでした。

プロヴァンスの感動が強かったので、

余計おいしく感じたのもあるかもしれませんが、

それでもやはり美味しかったです。

 

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ブイヤベースとムール貝

 

この日は、マルセイユには泊まらず、

そのままエクスアンプロヴァンスへ向かうことになっていたので、

美味しい食事をいただいてから、

早速ドライブに戻りました。

 

マルセイユから約1時間のドライブで、

エクスアンプロヴァンスへ到着しました。

中心地より少し離れたホテルを予約していたので、

早速チェックイン。

エクスアンプロヴァンスの滞在は一晩だけなので、

急いで街の観光をしなければいけません。

 

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シトロエンと一緒に

もうすでに午後3時ころになっていましたが、

ガイドブックを片手にまた車に乗り、

街の中心へ向かいます。

 

プラタナス並木の美しいミラボー通りを走って、

ド・ゴール広場へ。

地下駐車場を探してパーキング後、街をプラプラ散歩しました。

 

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ここで気が付いたのですが、

アジア人がいない!

行き交う言葉もフランス語オンリー。

おしゃれなフランス人ファミリーの夏の観光地のようでした。

 

私たちといえば、ラフなシャツとパンツ、肩掛けカバンにガイドブッグ。

サマードレスの女性たちを前に、

ちょっと恥ずかしい旅行者スタイルでした。

 

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プラタナス並木の通り

 

テラス席のレストランが並んでいて、

どこで夕食をとるか迷います。

その中でも、氷の上に並んだ魚が新鮮そうな、

雰囲気が良いテラスレストランに入ることに決めました。

 

ところがここから大変でした。

英語メニューの数が少ないらしく、待てど暮らせどメニューがやってこない。

英語ができるウェーターも忙しいらしく、

やって来たのはフランス語オンリーのウェーター。

身振り手振りで魚の説明やメニューの説明をしてもらったものの、

こちらも疲れてしまったので、

適当に注文することにしました。

さすが南フランス。

英語が通じづらく、フランス語ができないと

食事を頼むのも一苦労だということを実感しました。

 

でも仕方ありませんね。

ここはフランスです。

勘で頼んだメニューは結構おいしかったです。

 

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しかし、高かった・・・。

ワンプレートに牛肉や野菜、ポテトが入って35ユーロくらい。

日本円にすると、5,500円くらい・・・高い!!!

その他、軽く数皿頼むと10,000円は越してしまいます。

 

ここが観光地値段なのか、

それとも円が安くなってしまったからなのか・・・。

食べ物の物価の高さを強く感じました。

日本は本当にデフレなのですね。

通りで外国人がたくさん日本に観光に来ていると思いました。

 

20年くらい前までは、まだ日本円は強く、

海外と比べて物価も高かったと思います。

海外に来て、レストランに入り、あまりの値段の高さに食欲をなくすなんて、

そんな時代が来たことに、改めてショックを受けた私たちでした。

 

それでも夜風が気持ちいい街を歩きながら、

大満足で駐車場に向かいました。

ホテルに着いたのは、9時過ぎ。

長い初日が終わりました。

 

(夫記)


今回の旅は、この20年間日本がデフレだったことを否応なく意識させられました。

日本で暮らしていると、物価が安いのはありがたいことで、

日常生活でデフレを意識することはあまりありません。

しかし、今回、ヨーロッパを旅行して、食料品の物価の高さに

驚かされることがしきりでした。


ヨーロッパの通貨がユーロになる前の頃は、まだまだ円が強くて、

ヨーロッパでもたいていの国では物価は安く感じられたものです。

ですがユーロ以後は、ドイツマルクの貨幣価値が統一通貨のユーロに

なり変わったような感じがあって、お世辞にも経済が強いとは言えない

ギリシャやスペインにいて物を買うのに、なんでこんなに高いの?と

感じることが多くなりました。


ただ、今現在、為替レートが円安なのかというと、円ーユーロが

それほど著しく円安に振れているということでもない。

なのに食料品や食事代金がやたら高く感じます。

こんなに生活必需品の物価が高かったら、ヨーロッパの中でも

経済の強くない国々では、賃金が高くなったわけでもないだろうから、

みんな生活が大変だろうに。いったいどうなっているのだろう。

ユーロ圏への不満の種はこんなところにもあるんだろうか。などと考えていました。


ただ今回、ヨーロッパを旅して、思いのほか多かったのが

「日本に行ったことあるよ。また今度行くよ。」という人の多さです。

日本政府が観光立国の政策を取っているからだけではないでしょう。

ユーロ建てで生活している人にとって、恐らく今の日本は、

物価が安くて旅行しやすい国、になっているのです。

その原因として思い当たるのは、過去20年にわたる日本のデフレであったわけです。